ボクは、年に一度狂犬病予防接種を受ける。



飼い主も、年に一度受けるものがある。

眼科での視野検査と、英語の試験。



ボクとの大きな違いは、ボクの場合は義務だが、飼い主のは任意ということだ。

つまり飼い主は、ボクには強制するくせに、自分のは自由度が高くて不公平だ。





昨日は大学入学共通テストの第1日目で、英語の試験が行われた。

飼い主は、翌日つまり今日、新聞に掲載される問題に取り組んでいる。

毎年だ。



少し前のセンター試験の問題とは内容が変わり、発音問題や会話問題、語整序問題などはなくなり、いわゆる読み取り問題ばかりだ。

だからリーディング問題というのだろうが。



「読み取り問題はいいが、このボリュームに飽きてくる。」

年をとって集中力をなくしてきた飼い主には、だんだんもて余してくる分量らしい。



今年も、朝の家事を全て済ませてからおもむろに始める。



第1問から第3問までは、

「英検3級程度かな。

ここでしくじることは許されない。」



とりあえず、問題なく進む。





第4問からは、少しずつ考える時間が増えてくる。
「【裏読み】【深読み】しないと、うっかり引っ掛かる。」
と飼い主は心得る。
平易なレベルのようで、スピードアップを意識しつつも飼い主は慎重だ。


次第に、長文問題といわれるものになってくる。
「長文問題は、短文がたくさんあるだけなんだが。」
そう言うところをみると、やはりやりたくない感がにじみ出ている。




第5問。
特に難しくはない。
しかし第6問になり、内容がちょっと抽象的になると、気が散ってくる。
風の音が気になったり、頭の栄養補給にチョコレートを食べてみたり。


ここら辺からは、もう英語力よりやる気にかかっている。


途中、10時からBSで「小さな村の物語イタリア」
を観て中断。
まあ、別にいいんですけどね、オバサン在宅受験生ですから、気分転換しても。
しかし嫌なことを先延ばしにしていますよね。


番組終了後、飼い主は遠くを眺めるためにボクと散歩に行くかどうか悩んだが。
まだまだたくさん問題があることに




凹ノミー
クラス
症候群

を発症し、しばらく部屋のストーブを消してあえて寒い環境にして頭を冷やす。


そして受験生なら許されない、試験中のスマホいじり。
なかなか再開しない。


危険な


欠戦


ができて体内を巡っているようだったが、一度トイレに歩いて戻り、何とか昼まであとちょっと頑張ってみることにした。


もはや、ボクの「義務」以上に、苦痛を通り越している顔つきになっている。
自分から拷問を受けているとしか思えない。
ハハハ、いつもボクには選択肢もないことを強要しているのだから、少しは苦しむが良い。


そうしてすぐにお昼になり。
問題6のBは、少しだけレベルが上がる。
おそらく意味を忘れた単語も、2.3出てくるかもしれない。
それは何とかなるだろうが、とにかくもう面倒くさい。
飼い主は、この問いをひとつ残して、勝手に【午前の部】をおしまいにする。
本当の受験生なら、時間切れでとっくに「ハイ終了~❕」というところだ。


どうですか飼い主。
今年の手応えは。


「こんなに早く頭が疲れると思わなかった。
年々、時間がかかりすぎる。
現役なら、とても合格にはほど遠い。」


で、どうします、残りの問題。


「午後は‥‥天気がいいから、伊太郎と公園に行かないと。
帰ったら、3時のコーヒータイム。
その後にするか。
とりあえず、残したくないから、やることはやるわ。」


何も一日がかりでやらなくてもいいでしょうに。







※去年の記事