何か植えてあった植木鉢。
今は亡きご主人様がきっと大切にしていたのだろう。
ご主人様が亡き後は、人の住まなくなった邸宅の管理に時折訪れる親戚により、時々お水をもらうことがあったのではと思うのだけれど、植木鉢は本当にカサカサだった。
そんなカサカサで何かわからない植木鉢なのに、この建物の新しい管理者が、せっせとお水をあげて植木鉢の新しい主人様となった。そのマメな愛情のおかげで、昨年、息を吹き返して可愛い花を咲かせた。
クリスマスローズだった。
狭いところに居て狭そうだねと、お花が終わってから地植えをしたのだけれど、日当たりが良過ぎたのか、植え替えたばかりの頃は元気が無く、とても心配だった。
一冬越したクリスマスローズは、少し時間をかけながら、彼女の亡きご主人様が愛したお庭の土と周りの植物たちと、しっかり馴染んでいたようだ。
今年はたくさん、綺麗なお花を咲かせた。
会ったことのない彼女のご主人様たち。
でも、こうして花を咲かせた彼女を見ていると、息吹を感じる気がするから、とても不思議。
花言葉の中に、
「追憶」
「私を忘れないで」
「いたわり」
「大切な人」
とあった。
ここのお庭にちゃんと根付いて、お花が咲いた事、本当に良かったと心から思った。

