アントライオンの娘、かぐやひめが見つけた新たな母親は、口がきけなかった。
3人の旅は続いていた。
昆虫の大群は、戦闘体勢にならざるを得ないが、はぐれ蟻だと食用にするらしい。
西部劇に出てくるようなコロコロ草を燃やして焼いて食べるらしい。
体は大きいし、意外と固い殻の下には美味しい肉が隠れているという。
かぐやひめは、ストーンヘンジのような石の遺跡を見つけた。
その空には、火星の表面が見える、彼らはその地下にいるのだ。
その天井に顔が見えるということなのだ。
火星の不思議とされる人の顔。
足が馬みたいなケンタウロスのような老人が、その顔の目が光ると興奮して涙する。
いったいどんなメッセージを受けたというのだろう?
アントライオンは、老人と同じように遺跡の真ん中で光を待ってみることにした。
秋田書店「プレイコミック」1977年頃・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」より「ストレンジャー(2)」から)