さるとびエッちゃん④-4 | ネムリ・モヤのブログ

ネムリ・モヤのブログ

アートと旅と食を愛す孤高の仮面ライダー好き女

《貝が語るかなスい物語》

ちょっとエッちゃんらしくなまってますけどね。


この話、別の作品「ジュン」みたいな青年がが出てきます。


コラボかな?


まだ「ジュン」の方を読んでないんで似てるだけかもしれないんだけど。


エッちゃんたちの前に暗い顔をしたジュンが歩いていました。


エッちゃんたちは、貝に耳を当てて波の音が聞こえるか?


自分たちが、詩人なのか試していたのでしたが。


なかなか聞こえるものじゃないみたい。


エッちゃんは、その青年がなぜ暗い顔をしていたのか、貝に耳を当てて聞いたんだね。


海に遊びに来ていたジュンとその恋人。


ところが恋人は、海でおぼれて死んでしまうのです。


自分のせいで死んでしまったんだと、責任を感じてしまったジュン。


エッちゃんは、不思議な力で恋人の言葉で語りかけます。


私が死んだのは宿命であって、あなたのせいじゃない。


そんな暗い顔をしているのは、私が好きだったジュンじゃないと。


ジュンは、目が覚めるのでした。


残されたものが、どう生きるか。


それは、難しい問題だけどね。


実際、石ノ森章太郎自身も姉が死んだとき、自分自身を責めたというから、自分に対しても改めて言い聞かせてる感じもする。


私自身も身内が亡くなった時は、しかたがないと自分に言い聞かすばかりだった。


誰かの死とは、キョーレツな人生体験なのだから。



講談社「週刊少女フレンド」1971年頃・初出。


(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」から「さるとびエッちゃん(4)」より)