《貝が語るかなスい物語》
ちょっとエッちゃんらしくなまってますけどね。
この話、別の作品「ジュン」みたいな青年がが出てきます。
コラボかな?
まだ「ジュン」の方を読んでないんで似てるだけかもしれないんだけど。
エッちゃんたちの前に暗い顔をしたジュンが歩いていました。
エッちゃんたちは、貝に耳を当てて波の音が聞こえるか?
自分たちが、詩人なのか試していたのでしたが。
なかなか聞こえるものじゃないみたい。
エッちゃんは、その青年がなぜ暗い顔をしていたのか、貝に耳を当てて聞いたんだね。
海に遊びに来ていたジュンとその恋人。
ところが恋人は、海でおぼれて死んでしまうのです。
自分のせいで死んでしまったんだと、責任を感じてしまったジュン。
エッちゃんは、不思議な力で恋人の言葉で語りかけます。
私が死んだのは宿命であって、あなたのせいじゃない。
そんな暗い顔をしているのは、私が好きだったジュンじゃないと。
ジュンは、目が覚めるのでした。
残されたものが、どう生きるか。
それは、難しい問題だけどね。
実際、石ノ森章太郎自身も姉が死んだとき、自分自身を責めたというから、自分に対しても改めて言い聞かせてる感じもする。
私自身も身内が亡くなった時は、しかたがないと自分に言い聞かすばかりだった。
誰かの死とは、キョーレツな人生体験なのだから。
講談社「週刊少女フレンド」1971年頃・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」から「さるとびエッちゃん(4)」より)