《きれいなどぶ川》
うどの大木のようなキヨちゃん、お金持ちの子のプールに入りたくて、小さな子が見つけたセミを奪おうとする。
お金持ちの子は、自分のセミを見つける夏休みの宿題を、キヨちゃんにさせたいつもりらしい。
キヨちゃんは、近くの川で泳ぎたくても、どぶ川で泳げないのだ。
もう一つの条件は、グループに入って言うことをきくということ。
まるで奴隷である。
これはやってらんないということで、通りすがりのエッちゃんがひと役買うのである。
金持ちの子のプールがどぶに、どぶ川が人が泳げる小川に変わったのだ。
エッちゃんって、何者?
タヌキかキツネか?
なんて首をかしげる同級生達でした。
今でも、相当田舎に行かないと、近くの川では泳げません。
というか、子どもの頃、川で泳いだ記憶が私の場合、無いですね(汗)。
海はもちろんありますが。
両親が危険回避で、川に立ち寄っても泳がさなかったのかもしれません。
子どもの川の事故は、夏によく聞くニュースではあります。
講談社「週刊少女フレンド」1971年頃・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」)