手塚治虫氏の逝去により、石ノ森章太郎氏は、様々な媒体から、追悼の言葉や漫画を求められたようである。
先日の漫画よりは、長いようだ。
ほんとは、もっとじっくり手塚治虫氏について、考えていたかっただろう。
だが、彼の人生は、手塚治虫なくしては語れないし、彼しか描けない追悼漫画もあるわけである。
石ノ森章太郎氏は、手塚治虫氏に憧れながらも、いつのまにか手塚治虫以上の事をしてしまったり、それで手塚治虫氏に反感を持たれたりしてしまったけれど、手塚治虫の事を一番理解していたようである。
常に、手塚治虫は彼の背中を押してくれたし、亡くなってからも付きまとっていたのかもしれない。
1989年 小学館『ビックコミックスピリッツ』8月14日号~8月21日号 初出。
(講談社『石ノ森章太郎 デジタル大全』より『青いマン華鏡』から「風のように… 背を走り過ぎた虫」を読んで)