少しダジャレが効いたタイトルだと思ったら、別冊少年ジャンプに掲載されたマンガでした(笑)。
先日までの少女向けの絵とは、うってかわり、見慣れた雰囲気である。
とはいえ、この作品はどうやら彼の上京物語のようである。
自分のふるさとに帰るとき、そういう過去を思い出すこともあるだろう。
自分はふるさとに帰っているのに、過去は東京に向かっているのである。
不思議な交差である。
つらい思い出も、素敵な思い出もいっしょくたになるだろう。
両親には、あまりいい印象を与えなかった漫画家という仕事。
それを、かげながら応援し続けてくれたお姉さん。
その姉の死。
それを埋めるかのように現れた彼女。
漫画のことは、あまり知らなかったようだが、否定もしない。
そんな思い出を見せてくれた不思議な青い万華鏡。
みんな知らず知らず、のぞいているのかもしれませんね。
私は、昔、万華鏡の美術館で、いろんな万華鏡をのぞきすぎて具合が悪くなった事を思い出しました(汗)。
別世界は、ほどほどがよろしいようで(笑)。
私自身、生まれも育ちも同じ場所なので、ふるさとが近すぎて、嫌になることがある。
旅は、そういうとき新しい思い出の場所を作る手伝いをしてくれる。
特に、お姉さんの言葉にしびれました。
「小説家はなぜ小説をかくの
画家はなぜ絵をかくの?
―― あなたはどうしてマンガをかくの!?
自分が感じたことを…
自分が感動したことを…
文章や絵をとおして
みんなにも感じてほしい
わかってもらいたい
からじゃなくって…!?」
集英社『別冊少年ジャンプ 』1973年6月号 初出。
(講談社『石ノ森章太郎 デジタル大全』より『青いマン華鏡』より「青いマン華鏡」を読んで)