冒頭の「ガラスの少女」という童話、なかなか素敵である。
オリジナルでないため、控えめなタッチでマンガを描いている。
人は、一人では生きていけない。
とはいえ、仲間を失ってしまっても、場合によっては生きていけないのである。
人の心が透き通って見えたら、どんなに分かりやすいことだろう。
とはいえ、見えてしまったらどんなに生きにくいことだろう。
そんな童話が好きなマリちゃんが、肺炎を起こして寝込んでいる。
(余談だが、マリちゃんといえば、仮面ライダー555のヒロインの名前である…園田真理…汗)
大人たち、それも家族のウソにほんろうされ、傷ついたうえに、雨のなか家を飛び出し風邪をひく。
そう、子どもってウソで傷つきながら大人になるのよね。
だから、ガラスの体では身が持たないの。
とっくに割れて砕けて跡形もないはず(笑)。
一方で傷ついた子どもを見て、時には大人は自分の間違いに気がつくこともあるさ(汗)。
講談社『なかよし』1964年 2月号 初出。
(講談社『石ノ森章太郎 デジタル大全』より『青い月の夜』から「ガラスのマリ」を読んで)