![思い出深い場所](https://stat.ameba.jp/common_style/img/home_common/home/ameba/allskin/ico_kuchikomi2.gif)
それは、昔々のお話です。
旅慣れない母と娘がおりました。
フリーの旅です。
列車の接続の関係で、少しの間、寝台車に乗ることができました。
二人は、初めての寝台車に興味津々です。
寝る時間ではありませんでしたが、くつろぎました。
降りる駅は、京都です。
アナウンスにあわてて荷物をかつぎ、忘れ物はないか、確認しながら、娘は列車の外へ。
母が出てくるのを扉の外で待ちます。
……。
娘は、あることに気付きました。
「お母さん、スリッパはいてる!」
そう、寝台車に設置しているスリッパでした。
ガチャン!
無情にも、母の目の前で扉がしまりました。
母はそのまま、大阪駅へ…。
娘は、駅の改札口から出てはならない、という本能でうろうろしていました。
当時、互いにケータイを持っていなかったのです。
何時間経過したでしょう。
母と娘は、無事再会しました。
「アナウンスしてもらったけど、聞こえなかった?」
聞こえずとも再会とは、これ親子ゆえのテレパシーか何かでしょうか?
(これは、実話です。我が家の笑い話です。母は、この話、イヤがります。でも、旅というのは、これだから、面白いと思います。)