キューピーマヨネーズのCMを見て思ったことを少し書きます。
「ニューヨークで会社勤めをしている私にとって、昼食のサラダが今日初めて見た植物だ」とか、「ニューヨークのビルの高層階に住む僕にとって、最も身近な植物は冷蔵庫の中に有る」とか、そういう内容のナレーションが(実際の文章はもっとカッコつけてます)、マヨネーズで野菜を食べてね、という意味で流れます。まあマヨネーズの宣伝なので仕方ないのでしょうが、私にはちょっと聞き流せません。たとえニューヨークのビルに住んでいようと、わざわざセントラルパークに行くまでもなく、歩道脇のちょっとしたところに何らかの植物が生えているものです。ただそれに気付くかどうかだけ。マヨネーズの宣伝を目的に頭で作った文章は、実際の身の回りを自分の五感で注意深く捉えた言葉とは違う。
でも今日の殆どの人は、ただ頭の中だけで作り出された文章の洪水の中で生活してるのですね。仕事でも日常生活でも。電車が停止したら、「〇〇駅に着いた」 駅の外に出て空が赤かったら、「夕焼けの空だ」等など。物凄く広範囲に空が赤く染まっていたら、改めてしっかり空を見るに至る人も少しは居るでしょうけれど、大抵の場合は頭の中に既に用意されてある文を引っ張り出してきて納得してるだけ。自分の五感でその時どきの状況をしっかり捉えることなく生活する人が、圧倒的に多くなっているようで怖いです。一目瞭然とか、百聞は一見に如かずとか、昔は動かぬ証拠としての価値があった画像ですが、今は「いかにも本当らしい偽画像、偽動画」が生成AIでたやすく作られてしまう。そしてそのもっともらしい画像の嘘に簡単に騙される人だらけになるのが恐ろしい。
今日は久しぶりの記事です。4月と5月に下書き状態で放置されていた記事2本も、その時の日付で上げました。