先日TVでYOASOBIならぬNOASOBIと題された番組が放送されました。シジュウカラなどの言葉の研究者(鈴木俊貴さん)に密着したものです。私は一昨年に彼の存在に気付いてとても感銘を受け、このブログで記事を書いています。林の中で鳥たちのさえずりに耳を澄ましている姿は以前と変わらず、現在も順調に研究を続けておられるようで何よりです。

 その番組の中で触れられていたエピソードについて書きます。小学生の頃カブトムシが大好きだった鈴木さんは昆虫図鑑もよく見ていたそうです。しかし「カブトムシは最強の昆虫だよ」と書いてあるのにコガネグモに捕まって食べられてしまうのを目撃して、子供心に「嘘を書いてる」と思ったそうです。そしたらお母様が、「あなたが書き換えればいいじゃない」と仰ったとのこと。

 そうなんですよね。過去記事で書きましたが、私自身が植物図鑑のオオイヌノフグリの項で「開花は1日のみ」と書いてあって、間違ったことを書いてるじゃん、と思ったのと同じ。動物や植物の生態は知られていないことが山ほど有るはず。「きっとこうだろう」という思い込みが間違いなら、どんどん訂正していけば良いのです。「それなりの出版社でしっかりと作られた図鑑でも、書かれてあることが何もかも絶対に正しいと鵜呑みにすることはない」は、私の原点です。およそ教科書というもの全般について、子供の頃からそう思ってきました。