オフコースというと「さよなら」(1979)とか「眠れぬ夜」(1975)などのイメージが強いだろうし、むろん自分も曲としては知っているが、年代的にリアルタイムな親近感には乏しい^^; そのような意味でまず思い浮かぶのは「YES-YES-YES」(1982)である。松尾一彦への関心からソロアルバム「WRAPPED WOMAN」(1986)なども手に入れたりした時期に、たまたまこの曲を収録したアルバム「I LOVE YOU」(1982)をヤフオクにて100円で見かけ送料もまとめ買いで負担を軽く出来たのでゲトしていた。とはいえ、一聴してみて、やはりオフコースは小田和正のイメージが強いなと戸惑いを感じる結果となった^^; そんな次第で自分には評価が難しいなと思いつつも、リスニングの幅を拡げる意味でも今回は採り上げてみることとした。

 

「I LOVE YOU」はオフコースのオリジナルアルバムとして10作目にあたり、鈴木康博の参加した最後のオリジナルアルバムでもある。さらにいえば東芝EMI在籍時代最後のオリジナルアルバムともなっている。全9曲のうち4曲は小田、3曲を鈴木が手がけているが、「哀しき街」も当初は大間仁世が詞を書くはずだったが満足するものが出来なかったため、急遽詞だけ小田が書く形となったそうである。

 

冒頭は前記シングル曲「YES-YES-YES」だが、出来が気に入ったのか当初はシングル発売の予定がなかったものを急遽リリースすることになったらしい。確かに美しくクールな感触は一聴独特なインパクトを残すものだ。この曲は小田作品だが、次から2曲は鈴木作品。「素敵なあなた」も同じく清涼感あるオフコースらしい曲ではあるが、「YES-YES-YES」に比べるとおとなしめの印象を受ける。続く「愛のゆくえ」の方がしみじみとした味わいがあって、配列のコントラストという意味では妙味あるものだと感じる。LPでいうA面最後の曲「哀しき街」は曲が松尾担当だが、前記のような事情で詞は小田である。前曲からの雰囲気を引き継いでしっとりと聴かせてくれるが、何といっても間奏と後奏の長いサックスのソロがロマンティックだ。サックス奏者はジェイク・コンセプションと砂原俊三がクレジットされているが、たぶんジェイクであろう^^;

 

LPでいうB面冒頭は鈴木作品の「揺れる心」だが、なだらかな印象で大きく雰囲気が変わることがなく、少し単調に感じてしまう。むしろギター主体のシンプルなアレンジになっている短い曲「きっと同じ」の方がB面スタートという雰囲気を持っている。3曲目「かかえきれないほどの愛」は曲が松尾・詞は松尾に清水仁・大間3人の共作となっているが、このアルバム中では力強さを感じる重々しさがあり、聴きごたえがある。やはり自分は小田より鈴木より松尾びいきなのだろう^^; 次の「決して彼等のようではなく」はやや軽快さを取り戻して始まるが、小田の詞が意味深なので謎めいた印象を与える曲だ。政治的なメッセージのようにも感じるし、このアルバムを最後にオフコースを脱退することになる鈴木へのメッセージでもあるように感じる。もっとも、これには正解がなくて各人の想像にお任せなのかもしれない^^; 最後は表題曲かつ先行シングル曲「I LOVE YOU」のアルバムバージョン。間奏の英文のナレーションが余韻を残すが、これはジョン・レノン(1940-1980)の訃報だそうである。シングルバージョンではここにFENの音声が使われているというので深い意味はないのかもしれないが、あるいはレノンへのレクイエムの意味合いもある締めくくりなのかもしれない。