申し訳ないが、HOUND DOG10枚目のオリジナルアルバム「GOLD」(1989)は、金(きん)というよりも金(カネ)の臭いがプンプンしてくるイメージだ^^; ドラマ主題歌・挿入歌やCMソングとなったシングル曲をズラッと並べたほとんどベスト盤?と見紛う曲の配置に、当時としては珍しいCDの価格をLPやカセットテープと同様の2,800円に設定する値ごろ感の演出。前々作「LOVE」(1986)がオリコンチャートにて3位に躍進したが、レコード会社を変えて出した前作アルバム「BE QUIET」(1987)も3位に留まったので、よほど1位を獲得したかったのかと邪推したくなる^^; とはいえ、このアルバムにて初のチャート1位を獲得したHOUND DOGは次作の2枚組アルバム「VOICE」(1990)でも連続チャート首位を達成し、セールスにおいての絶頂期を迎える。しかし、自分はこの「VOICE」を聴いた記憶がない^^; 所詮HOUND DOGは当時弟が聴いていたのにくっついて聴いていた程度だったので弟が買ったのかどうか次第だったが、ボリュームの問題で敬遠したのかもしれない。そのため、自分の耳にしているHOUND DOGのアルバムは、平成元年に入った直後のリリースとなった、この「GOLD」どまりとなっている。
などと冒頭からネガティブなことを書き並べたが^^;、これが「GOLD」を売らんかな優先の内容二の次なアルバムにしているという意味ではない。聴き直してみると、特にアグレッシブな曲には最盛期を迎えたHOUND DOGの勢いを感じるものである。とはいえ、個人的にはHOUND DOGは「LOVE」一択である。作詞作曲アレンジについてはこれまでとほぼ同じ顔ぶれだが、1曲だけ詞を西えいいちという人物が手がけている。しかし、この人についてはよく分からなかった。あと「No Name Heroes」のタイトルとコンセプトの案出者として影森潤の名前がクレジットされている。影森は作詞キャリア開始間もない時期だったようだが、名前をアピールするのにHOUND DOG(あるいは作詞者の松井五郎)が手を貸すようなコネがあったのか、または主題歌として使われたドラマの関連か。ちなみにそのドラマは織田信長を主役にしたものだったので、信長にこのタイトルはないだろうと当時は違和感しかなかったものだ^^; なお、歌詞カードではアレンジが全曲HOUND DOGと書かれているが、Wikipediaだと箕輪単志ということにされている。改めて聴いてみると冒頭「Shakedown」の臨場感にびっくりしたが、ニューヨーク録音のためか。
その「Shakedown」は、大友康平詞・箕輪曲の軽快な曲で、トップバッターにふさわしいものだ。続く「Dog Days」は刑事ドラマのエンディングテーマになったもの。しみじみとした曲で、八島順一の曲らしい資質は感じる。3曲目「Only Love」は力強いバラードという趣きだが、スポーツ中継番組のスピリッツソングという摩訶不思議な肩書を持つ^^; 続くのがまた違和感のある組み合わせな前出「No Name Heroes」。「Only Love」が箕輪曲で「No Name Heroes」が八島曲になるという、当方のイメージとは逆の取り合わせなのがちょっと意外ではある。このアルバムはHOUND DOGのアルバム中ではLPの出ている最後のものだが、そのA面最後にあたる「15の好奇心」は辞書のCMソングになったもの。いちおうアルバムタイトルの「GOLD」はこの曲の歌詞に由来するものか。この曲も八島の作曲で続くが、こちらは八島らしいロマンティックさを感じる。
LPにおけるB面冒頭は前記唯一の西の詞になる「太陽の様に」。物静かな感はあるが力強く、タイトルにふさわしいおおらかさを感じる曲だ。一転して次の「Distiny」はアグレッシブな曲。なお、この曲もCMソング。続く「火の玉ボーイ」は「あるロックンローラーの実態」というサブタイトルを持ち、大友が時折りみせる私小説チックでコミカルな詞が面白い。しかし、次の「Believe」はガラッと雰囲気を変えて、いかにも八島の曲らしいしっとりとした一面をみせる。最後はドラマティックなクライマックスを築く「Ambitious」で力強く締めくくる。こちらもテレビ番組テーマソングであるとともにカップヌードルのCMソングであった。