海辺の町で古民家を購入したアラサーの美奈穂が、彼氏から逃げて家のないフードコーディネーター・春陽と出会い、ひょんなことから同居することに。現実にはなかなか起こりそうにない展開ですが、物語の導入としては惹きつけられます。
人付き合いに疲れていた美奈穂は、仕事の忙しさにかまけて食生活も不規則でしたが、古民家への引っ越しと春陽との暮らしによって、少しずつ改善されていきます。特に春陽のつくる料理は、まるでプロの味。
一方の春陽は、自由に料理ができる環境に感謝しきり。それどころか、「美奈穂さんは…普通に責任持って仕事してますし。普通のことを普通にできるって、それ本当にすごいことです」と、真っ直ぐに褒めてくれます。
お互いに気を遣いすぎず、深く踏み込みすぎない距離感が心地よいのでしょう。
まさに「気が合う」という感じ。
また春陽の料理の説明も実用的で参考になります。たとえば、青梅で梅酒を作ると1か月かかるけれど、梅シロップなら1週間ほどでできるそう。「そりゃシロップ作ってお酒で割った方が早いって話にもなるよねえ」と美奈穂がつぶやく場面も印象的です。
さつまいものスープのレシピも登場します。「さつまいもと玉ねぎを一緒に炒めて、コンソメスープで煮たら、ミキサーにかけて牛乳で割っただけ」と、手間はかかっているのに、あっさりと語られるのがまた良い。美味しそうだけど、私にはちょっとハードルが高いかも。
2人の関係性がとても心地よくて,
まるで争いのない世界の出来事のよう。この作品、シリーズ化されるのでしょうか。息の合った、正直すぎる2人に癒されました。
