江戸の一枚摺りの読売に「大飯食ラフ嫁」と書かれた出戻りのお富美。顔見知りの御隠居さんに誘われ、美味しい鰻を食べに行ったことから物語が始まります。

 

こんなに美味しいのに鰻の見立番付に載っていないのは、お金を積まなかったから――。そう知ったお富美は御隠居さんとともに、「大飯食ラフ嫁」ならではの本当の鰻番付を作ろうと、江戸に100店以上ある鰻屋を巡ることに。

 

店を訪ね歩くうちに、「大飯食ラフ嫁、フタタビ」の読売が発行されたり、夏の鰻は痩せていて他の季節と比べるのは不公平だと気づいたり、女性客には切れ端の鰻を出す店があったりと、さまざまな出来事が起こります。

 

御隠居さんの影響力の強さ、お富美の大食とひたむきさ、鰻職人たちの確執と絆――読み応えのある一冊でした。『居酒屋ぜんや』シリーズの作者さんの作品だったのできっと面白いだろうと思い手に取りましたが、期待通りでした。

 

読み終える頃には、お富美のまっすぐさと食への情熱がすっかり好きになっていました。