管理栄養士の暮林怜奈。

父が院長を務める暮林医院に新しく栄養室を立ち上げ、患者さんの食事指導を担当しています。栄養指導と聞くと、「塩分を控えて」「アルコールは減らして」といった“禁止のイメージ”が強いものです。でも怜奈は「あれもダメ、これもダメ」とは言いません。少しずつ減らす工夫や、無理なく続けられるバランスの良い食事を提案してくれます。

 

バランスの良い食事が大切なのはわかっていても、実際にやるとなると難しそうで続かない気がしていました。ところが怜奈は、料理そのものではなく“食事の調達方法”から教えてくれるのです。宅配サービス、冷凍食品、レトルト食品、スーパーやコンビニの総菜などを上手に活用する方法です。昔ながらの価値観では抵抗があるかもしれませんが、料理が苦手な人、忙しい人にはとても実用的。管理栄養士が監修した商品も増えていて、安心して取り入れられます。

 

私は「ネットで情報は手に入るし、わざわざ管理栄養士にお金を払う必要はないのでは」と思っていました。しかし怜奈はこう言います。

「料理の初心者が、料理上手の人のように全部自分でやろうなんて、おこがましいんですよ」

その言葉にハッとしました。専門家のアドバイスには、やはり大きな価値があるのだと気づかされます。この本は本当に勉強になりました。

 

主な患者さんたち

- 三森徹・蘭子(50代夫婦):夫の高血圧が心配

- 渡辺丈也(50代):軽度の脂質異常症

- 徳満周三(85歳):高血圧。息子・康之が心配する

- 小林順(痛風予備軍)と母・相子(65歳):古い知識に振り回されがち

- 千堂知夏(若い女性):BMI16.4の低体重、鉄不足による貧血

- 古関律子・永峯剛の姉弟と母・栄子(85歳):介護食にするか“胃ろう”にするか

- 滝村大地(50歳・未婚):2型糖尿病

それぞれのケースが、現代の食生活の悩みをリアルに映し出していて、読み応えがありました。