下巻は、播磨から但馬・因幡へ向かう途中で荒木村重の謀反が発覚する場面から始まります。他の小説ではあまり描かれない、光秀支援のための丹波・氷上城攻めや、但馬の竹田城・出石城、因幡の鹿野城などが登場し、歴史好きにはたまらない展開です。ああ、あの“東洋のマチュピチュ”とも称され、雲海で有名な竹田城ですね。そして、出石そばで知られる出石城も登場します。どちらも今では人気の観光地です。

 

下巻ではやはり秀吉が前面に出てきますが、それも致し方ないところ。
小牧・長久手の戦いでは、城に籠もる家康を誘い出すための「中入り」を提案したのが秀長という設定になっており、さらに島津攻めでは、秀吉から露払いを命じられ、見事に成果を挙げます。

 

百姓から武士となり、兄を支え、大名に取り立てられ、時には汚れ仕事もそつなくこなす。立場が人を変えるとはよく言ったもので、秀長の成長と変化が丁寧に描かれています。最期は病に倒れますが、秀吉に振り回されながらも、常に兄を支え続けたその姿に、改めて「真面目で誠実な人だったんだな」と感じさせられました。