男性限定料理教室の講師・小鳥遊りら(たかなし りら)が、さまざまな事情を抱える5人の生徒~佐野楓雅、繁田薫、萩原康平、安藤春翔、君嶋トオル~に向き合い、指導していく短篇を一冊にまとめた作品です。料理小説でありながらミステリーの要素もあり、読み応えがあります。
別居中で離婚の危機にある萩原へのアドバイス、「今日から毎日、ご家族にお弁当を作ってください」が特に印象的でした。豪華な特別弁当ではなく、“毎日作れるお弁当”を。できるだけ手間をかけず、その中で最大限おいしいものを作る。睡眠不足の朝も、体調の悪い日も、一日も休まず続ける。
また、豆乳と“飲む点滴”とも呼ばれる甘酒を使ったマサラチャイは、ぜひ作ってみたいと思いました。
そして最後に明かされるりらの過去には思わず「えっ」と声が出るほど。
最後まで飽きさせない展開で、一気に読ませる作品でした。
