社会人になる直前の学生さんはたくさんの不安を抱えている。
自分はやっていけるのか、通用するのか?
何をするべきなのか、自分はどうなるのか・・・
そういう時に勇気と自信を持たせてやる事がオトナの役割になってくる。
その際、面談の中でたくさんのアドバイスや話をし、元気づける事は少なくない。
そうすると学生は気持ちが上がり、やる気になる。
しかしその気持ちは長続きしないことがほとんど。
早ければ翌日、長くても数日で元の「不安」な状態に戻る場面をたくさん見てきた。
アドバイスや話も悪くはないと思うが、これは彼らの表面的な部分にしか作用しないようだ。
腹の底から湧き上がる自信やモチベーションにはなかなか繋がらない。
さて、だったらどうするか。
もちろん「そういうもの」だから仕方がない、では終わらない。
対策はある。
まず、就職活動には面接や自己アピール、小論文など、アウトプットの場面がふんだんにある。
しかし前述(2018/7/13)したが、学生はアウトプットに慣れていない。
だからこそ「アウトプットすること」について学ぶ場が必要になってくる。
何を表現するのか、その中身や内容について深堀りが必要になる。
さらには学ぶだけでなく、実際に「表現する場」も必要だ。
ここで持論。
私は「アウトプットすること」について学ぶことより、「表現する場」が先だと思っている。
普通に考えると、「学び→表現」の流れが自然かと思われるが私はそうではないと考える。
こう言うと、
「そもそも自身について深まっていないのにうまく表現できるのか?」
という疑問も出てくると思う。
これについての回答は、
「はい、うまく表現できません。」
である。
だからこそ意味がある。
これについて詳しく述べたい。
「表現する場」とは自身について発表、つまりアウトプットとしてプレゼンテーションする場である。
そういう場に彼らを置くと、最初は渋る。
なにしろ話す内容について深まっていないし、そこには恐怖や抵抗があるから当然だと思う。
だが一度経験させると、彼らは確実に変わる。
変わるというより、「まずは気づく」と言った方が適切かもしれない。
ただその環境には安全が保証されている事がとてもとてもとても重要!
この時に学生の言葉に否定的なフィードバックを与えてしまうと一気に萎縮してしまう。
時としてマイナスのフィードバックが有効な場合もあるが、この場面では絶対にダメだ。
その破壊力たるや一撃でやる気を失わせ、彼らの将来を奪ってしまう。
世の中にはたくさんの考え方があって自身とは異なる意見も存在するのは当たり前だが、そのような受け取り方をするのは彼らにはまだ難しい。
否定的な言葉を聞いた時、彼らにとっては「人格の否定」に繋がってしまう。
これは一昨日の記述(2018/7/13)でも述べた通り。
さて、この初めてのプレゼンテーションの場を経験して彼らが「気づく」事は以下のようなもの。
・思ったより話せない
・何を言いたかったのか自分でも分からなくなった
・多分、全然伝わっていない
・グダグダで全然ダメだった
そして口を揃えてこう言う。
「もう一度やりたい!」
「くやしい、リベンジしたい!」
「表現する場」を先に持ってくる一番の理由がここにある。
最初はうまくプレゼンテーションできない学生がほとんどだが、それは全く問題なし。むしろそういうものである。
「くやしい、リベンジしたい!」
この強い気持ちを引き出す事が一番の目的である。
そしてここから彼らの「覚醒」がスタートする。
こうなると後は早い。
中身を深めたい、プレゼンテーションがうまくなりたい、などといった強い欲が自然に出てくる。
「学び→表現」の順番で進めるより何倍も早く、本人の中の学びも深く効率的になる。
そして中身や内容について深堀りできていない事に気づいた彼らは、自然とそちらに目を向け始める。
どうやればそれらが深まるかについて興味を持ち始め、アドバイスを求め始める。
そこからの助言は実に効果的で彼らの腹の底に響く事を実感できる。
このような流れで自分を深め、プレゼンテーションに自信をつけ始めた彼らが言い出す事がある。
それは、
「早く面接に行きたい!自分のことについて早く話したい!」
不安そうな顔をしていた以前の姿はそこにはない。
何かに目覚めた姿、まさにこれこそが「覚醒」。
こうなると彼らには安定感が出てくる。
自身の考えや主張に否定的な意見が出てきたとしても、それを「人格の否定」とは捉えず「自身とは異なる考え方」として受け入れ、時には受け流す事も可能になる。
それは自身の将来についての選択基準が明確になり、多くの選択肢の中から絞り込むことが容易になる事を意味する。
前回予告した、
「覚醒」に導くには
については以上。
特に「覚醒」につながるきっかけについて述べてみた。
次回は、
「覚醒」のきっかけをつかんだ後の自身の深め方
について述べたいと思う。