タイプ9は一見するとどのタイプなのか分からない人が多いと思います。それは、場の雰囲気を察してそれに合うような自己を演出するからです。もし真面目にコツコツ作業をするような環境下ではタイプ1に見えるかもしれません。もしスピードが求められるような環境下ではタイプ8に見えるかもしれません。これは大抵無意識のうちに行われているため、周りの人はおろか自分自身でさえ演じているという実感が無い場合があります。そのように行うことで、場の空気を乱したり不要な葛藤を招いたりすることを回避できるのです。
またこのタイプは非常に懐が大きく、かなり忍耐強いです。知り合いが仕事での失敗の愚痴に長時間付き合ってあげることもあります。基本的に先入観を持つことがないので、一方的に他人の意見を否定することはめったにありません。そのため相手は「自分のことを理解してくれる」と思い、心を開きやすくなります。まさに、タイプ9は他のタイプにとって精神的なオアシスとなりうる存在なのです。
しかし、このタイプは調和を大事にする一方で自分から環境を変えていくという意識が低いです。ときに、このタイプは怠惰なタイプであると指摘されます。それは決して仕事を怠け義務を果たさないといったわけでなく(むしろ場の雰囲気が緊迫しているようならテキパキと働きます)、場の雰囲気や他人に流され、自分でそれを打開しようとしないことを意味しています。そのため、このタイプに別のベクトルのことをさせようと思ったらかなりのエネルギーを費やします。
そして、このタイプの悪い癖が暗黙の抵抗をすることです。どういうことかというと、自分が納得しない指示にその場や表面上では納得したように振舞いますが、その作業をするにあたって非常に不真面目になります。締め切り直前までダラダラしているかもしれませんし、「どうでもいい」という感情から仕事のことを忘れたりします。これは場の雰囲気を乱したくないということから“建前”として同意しているということですが、同意しておきながら約束を果たさないので結果的に相手の反感を買うことになります。
この記事を読んでもしあなたがタイプ9だと思うのなら、相手に明確に“No”といってください。暗黙の抵抗はあなたの信用を落とすだけです。場の空気を一時的に悪くすることになっても、結果として「自分の意見を明確にする人」として評価されます。
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