1971年生まれの僕は1980年にジョンレノンが死んだことの記憶はない。
ビートルズと共に高校時代死ぬ程ハマって聴いていたカーペンターズのボーカリスト、カレンが死んだ時の記憶もない。
高校入学式直前、岡田有希子の死の報は祖母宅の付けっぱなしだったテレビから知った。
石原裕次郎も松田優作も美空ひばりも手塚治虫もテレビのニュースで知ったと思う。
フレディマーキュリーの死は仕事場でかかっていたラジオのニュースで知った。
尾崎豊の死は、1人暮らしのアパートで友人と電話していて聞いた。すぐにテレビを付け、ニューススポットで事実と知る。翌日は休みだったのでスポーツ新聞を買いに行ったことは覚えている。
カートコバーンは仕事帰りに駅でなんとなしにスポーツ新聞を買って、電車内で広げて読み始めたら「米歌手カートコバーン自殺」という見出しがあり、声を上げてしまった。
夜、まんじりともしないので、僕はロッキングオン社に電話で問い合わせると
「亡くなったことは事実です」という編集者の重く暗い声が返ってきた。
バンドリハーサルの休憩中、スタジオの人から「ダイアナさん死んだみたいよ」と聞いて驚いたこともある。
電話で当時の彼女(現妻)と話してる最中テレビ画面に「X JAPANのヒデ自殺か?」というニュースが映し出され2人で驚いたこともある。
あの頃ニュースは人伝かテレビかラジオか新聞か雑誌くらいからしか入ってこなかった。
今ではそんな情報のほとんどがTwitterか、LINEニュースが先行している。
例えば人の死の報に触れた時の衝撃はあるが、それに纏わる背景は今は何もない。
スマホを開いてTwitterアプリをタップして情報が飛び込んでくる、というだけだ。
あとは悲しみが残るだけ。
12月20日恵比寿のリキッドルームへダイアモンドシェイクのライヴを観に行った。
ツアーファイナルということらしいが、どこからそれが始まってるのかはわからないくらい、立ち上げからライヴステージを観ている。
一応リキッドルームはダイアモンドシェイクの船出というデビューライヴをやった所ではあるが、それより前からステージは観ているのであまりメモリアルな風情は感じなかった。
今年もDuoで観たり、錦糸町で観たりもした。アコースティックユニットでのライヴは観れなかったけれど。
今回のリキッド、僕はセンター中腹で観ていたが、音も良かったし、なによりシャケのギターが凄い抜けて聴こえた。
音が重なる所で爆音になることもあったけども、総じて聴きやすかったと思う。
ライヴのセトリは、アルバム曲全てプラス、ギャンブラーシティ、スペシャルタイムというお馴染みなものと、今回はカバー曲2曲が合わさった。
そのカバー曲は事前に公式アカウントから予想クイズリツイートが前回同様あって、僕も参加したので、会場にいてもなかなかワクワク出来て、とても良い企画だと思っている。
そういえば、来年はカバーアルバムを出すという告知をしていた。
ユカイは「高校生の頃とか良くコピーしていたような曲を選んだ」と言っていたので、奇をてらうこともなくストレートな選曲になるのかもしれない。
今回のカバー曲、「雨を見たかい」「ワイルドで行こう」がそれを物語っている。だから楽しみだ。
ライヴはいつものようにライダースオンザストームをSEにメンバーが登場。
「ダイアモンドシェイク」からスタート。この曲の途中でシャケがオーディエンスに投げキッスをしたのは見逃さなかったよ。
個人的には「お前の唇」や「人生はジョークさ」「ギャンブラーシティ」「スペシャルタイム」が特別な印象を持ったし、そしてラストの「ワイルドで行こう」に引っ張られたような、実に粗っぽい「Love isR&R」がとてもグッと来た。
【セットリスト】
ダイアモンドシェイク
トラベリンダウン
お前の唇
聖夜~ 人生はジョークさ
マイブルーバード
TRUTH
ギャンブラーシティ
スペシャルタイム
666
愛の歌
ドラゴンフライ
ロックダウン
こんな夜更けに
【EC】
雨を見たかい(CCR)
ワイルドで行こう(ステッペンウルフ)
Love isR&R
「666エンジェルナンバー」を僕は勝手にダイアモンドシェイク版「ワイルドアンドヴェイン」だと思っているのだが、こういうミッドナイトランブラー直系の曲を今でも継承してるのが嬉しい。
シャケのコンポーザーとしての才能が垣間見えるわけだから。
再結成直後の作品「FIRE DROPS」のトップナンバーの「熱病」も同様その血を引いている。
そしてこの曲の歌詞には「人生なんてただのジョークさ」というフレーズがある。
作詞はシャケだ。
いつか、この
「人生はジョーク」という真相を聞いてみたい。
「お前の唇」が終わり、最初のMCで、ユカイは、
シャケとの出会いの触りを触れ、ダイアモンドシェイクの第2章の決意表明そして、今年亡くなった人たちへのリスペクトから今を一生懸命生きようぜというメッセージを投げ掛けてからの「聖夜」をアコギを弾きながら歌い出したユカイにシャケがハモる場面は実に感動的であり、美しかった。
そしてそれが「人生はジョークさ」への導入となるのだから涙腺も緩もうもの。
同じように「スペシャルタイム」の前にも今年亡くなったシャケがレッドデビュー前に組んでいたSTRAIGHTのボーカリスト津田さんの事にも触れていた。
ユカイは空を指差し「多分この辺に津田宏が来ているはずです」と言って歌った。
途中ユカイは歌詞を飛ばしたのだが、津田さんが俺にも歌わせろと割り込んで来たのかもしれない。
この日、カバーアルバムの制作や、来年の4月のライヴ告知等もあった。
まだまだダイアモンドシェイクの航海は続くようだ。
しつこいくらい「ロックンロールロックンロールロックンロール」という二人がロックの熱病に冒されていることを改めて表現したようなステージであったことは間違いない。
第2章が楽しみになってきた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231222/01/7th-pancake/4d/0b/j/o1080081015379861038.jpg?caw=800)