町山智浩『ザ・ハント』を語る/宇多丸・映画批評『ザ・ハント』2020年11月06日 | 七梟のブログ

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映画『ザ・ハント』日本版予告編<10月30日(金)日本公開>

全米が封印した今年最大の問題作、遂に上陸!! 映画『ザ・ハント』10月30日(金) 全国ロードショー
 
富裕層が娯楽として人間狩りを行うー その過激で残忍な描写も含め、政治的陰謀論のはびこる アメリカ社会への痛烈な風刺から全米で物議を醸し、 一度は公開中止に追い込まれた、 現代社会のタブーにメスを入れたブラムハウス衝撃の異色作。 
監督:クレイグ・ゾベル 
製作:ジェイソン・ブラム 
脚本:ニック・キューズ、デイモン・リンデロフ 
出演:ヒラリー・スワンク、ベティ・ギルピン、エマ・ロバーツほか
 
(町山智浩)それともう1本、10月30日から公開される映画で『ザ・ハント』という映画があるんですよ。これもねトランプ大統領に怒られてアメリカで公開ができなくなっちゃった、公開中止になっちゃった映画なんです。
 
(町山智浩)いろいろとあるんです。それで結局、公開が延びちゃって。コロナの中でひっそりと公開されたんですけど。それが日本で10月30日から公開されるんですが。これがどういう話かというと、トランプ支持者の12人の男女が突然、拉致されて。誘拐されて。気が付くと、森の中で目を覚ますんですよ。で、そこに武器が並んでいるんですよ。銃とかナイフとか。「この中から好きなものを持って逃げなさい。あなたたちを人間狩りするから」っていう、人間狩りゲームの標的にされるっていう話なんですよ。
 

トランプ支持者たちが人間狩りの標的に

(町山智浩)「トランプ支持者」って言葉では言っていないんですけども、明らかにトランプ支持者なんですね。で、こういう映画が公開されるって聞いたトランプ大統領は怒り狂って。「こんな映画、公開するんじゃねえ!」って言ったんで公開ができなくなっちゃったんですよ。ただね、この映画はコメディなんですよ。
 
(町山智浩)コメディなんです、これ。ブラックジョークというやつですよ。これはね、トランプ大統領を支持する人たちの間に「Qアノン」という人たちがいるんですね。で、これは大変な問題になっていて。トランプ支持者の37パーセントがQアノンというものを信じている人たちなんですが。これはね、「民主党の政治家とユダヤ系の国際資本の大金持ちたちが闇のネットワークで繋がっていて。子供たちを誘拐して、悪魔のいけにえにしたり、その血を吸ったりしている」っていう陰謀論があるんですよ。
 
(町山智浩)それを信じて。「ピザ屋、ピザレストランで子供たちを誘拐している」っていう風にその陰謀論の中に書かれていて。それを信じた銃を持ったアメリカ人がピザ屋を銃で襲ったりしてるんですよ。アメリカでは。で、この陰謀論は本当にトランプ支持者の37パーセントが信じてるんですよ。それで討論会の前にあった市民集会、対話集会でも、そのNBCのアナウンサーが「今、Qアノンと言われる人たちはトランプ大統領のことを信じてるですが、ちゃんと否定してもらえませんか?」ってトランプ大統領に迫ったんですけど、トランプさんはそれを否定しなかったんです。
 
 

映画『ザ・ハント』予告編

 

宇多丸・映画批評『ザ・ハント』2020年11月06日

18:07~ 映画評本編開始
 
 
(町山智浩)すごいバカげた話になっていて。要するに、リベラルなインテリたちが右翼的な田舎の人たちを殺して遊んでるっていう話なんですよ。で、これをどう考えて見たらいいのか、分からないんですよ。非常に見て困る映画なんで(笑)。でも、これがアメリカなんだなって思いますね。さっきの『続・ボラット』もそうですけども、もうひねりすぎちゃっていて笑うに笑えないようなこととか、もうギリギリのことをやっていて。もうトランプを批判しているのか、批判していないのか、それすらもわからない展開じゃないですか。どちらも。