女子フィギュア史上最もスキャンダラスな事件『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』予告編
第75回ゴールデン・グローブ賞作品賞(コメディー/ミュージカル)にノミネートされたほか、さまざまな映画賞で評価された伝記ドラマ。五輪代表に選ばれながら、ライバル選手への襲撃事件などのスキャンダルを起こしたフィギュアスケーター、トーニャ・ハーディングの軌跡を映す。監督は『ラースと、その彼女』などのクレイグ・ギレスピー。『スーサイド・スクワッド』などのマーゴット・ロビー、『キャプテン・アメリカ』シリーズのセバスチャン・スタンらが出演。
【町山智浩映画時評】あのフィギュアスケーターの伝記映画『アイ、トーニャ』
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でフィギュアスケート選手、トーニャ・ハーディングの伝記映画『I, Tonya』を紹介していました。2017/12/19
町山智浩さんが、アメリカの元フィギュアスケート選手トーニャ・ハーディングの半生を描いた映画『I,TONYA/アイ、トーニャ』の解説をしています。
監督: クレイグ・ガレスピー
キャスト:マーゴット・ロビー、セバスチャン・スタン、アリソン・ジャニー、ケイトリン・カーバー、ポール・ウォルター・ハウザー
(町山智浩) リレハンメルオリンピックの時ですね。アメリカのフィギュアスケートの選手で、アメリカ代表の座を争っていたライバルのナンシー・ケリガンを何者かを雇って、膝を折ろうとして殴らせたと言われていた人ですよね。で、本番を覚えていますか? 結局、そういうスキャンダルが起こって、彼女が主犯じゃないか?って言われている中でオリンピックに出たんですよね。
伝説の「トーニャ・ハーディング事件」 1994年リレハンメル五輪FS
第17回オリンピック冬季競技大会
(山里亮太)オリンピックに出て、あのね、有名なシーンですよね。足を上げて、「靴紐が切れたよ!」って。
(町山智浩)はいはい。「靴紐がおかしいわ! もう1回やらせて!」っていうね。で、彼女はナンシー・ケリガン襲撃事件の犯人として裁かれてしまって、永遠にスケートができないという、フィギュアスケート協会から永久に除名をされたんですよね。だからすごい刑罰を受けてしまって、ものすごく世界的な悪役にされてしまったんですけど……今回の映画は本当はいったいどうだったのか?っていう映画なんですよ。この『アイ、トーニャ』は。
(町山智浩)全て関係者のインタビューをもとに構成しているんですね。このトーニャ・ハーディングを演じる人はマーゴット・ロビーっていう人なんですけども、そっちに写真がありますよね? この人は……。
(町山智浩)『スーサイド・スクワッド』の。あの映画の中で唯一素晴らしかったのが彼女なんですけども……。
映画『スーサイド・スクワッド』キャラクター特別映像( ハーレイ・クイン)【HD】2016年9月10日公開
(町山智浩)この人は最初こんな感じで出てきて、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のディカプリオの奥さんとして出てきて。だから、いかにもモデル上がりみたいな金髪の……これね、英語で「ビンボー(Bimbo)」っていう言葉があるんですよ。
(町山智浩)いい言葉じゃないです。すごく差別的な言葉で。美人でセクシーだけど頭は空っぽの女の人のことを英語で「ビンボー」って言うんですよ。これは言っちゃいけない言葉なんです。バービー人形みたいなタイプの人に対しての差別的な言い方なんですよ。で、このマーゴット・ロビーさんはいわゆるビンボーの役を演じることで出てきたんですね。
(町山智浩)ただ、この『アイ、トーニャ(私はトーニャ)』ではすさまじい演技力を見せるんですよ。
彼女はこれでアカデミー主演女優賞候補になる
(町山智浩)、彼女自身も自分の演技力を見せるために……要するに、「私はビンボーだって言われてるけども、そうじゃないのよ!」っていうところを見せるために、自分でお金を出しているんですよ。
(町山智浩)製作しているんです。これ、プロデューサーは彼女自身です。
(町山智浩)お金集めをやっているんですよ。で、自分の演技力を見せるためにやっているんですけど、まあとにかくすごい映画なんですよ。この映画は。これ、マーゴット・ロビーが演じているトーニャ・ハーディングがインタビューをして、「なにがあったのか、私がこれから話すから」って言いながら、カメラに向かって話し始めて。で、子供の頃からのすさまじい育てられ方が見せられていくんですよね。
『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』予告編(5月4日(金・祝)公開)
本年度アカデミー賞助演女優賞受賞!!トーニャ・ハーディングによるフィギュアスケート界を揺るがした史上最大のスキャンダル―。オリンピックの出場権を巡る、ライバル襲撃事件の真相を描く!
5月4日(金・祝)よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー!
米フィギュア界の実話…“襲撃事件”の内実に映画評論家もア然〈週刊朝日〉
■渡辺祥子(映画評論家)
なかなかGOOD!
娘を食い物にして骨までしゃぶりつくす母親の姿にア然。この母が諸悪の根源と思わせる仕立てのドラマは、こんな母に育てられたことでトーニャが強烈自己主張の娘になったことを描いて昔のハリウッド映画を見る気分。
究極な鬼母アリソン・ジャネイのしつけ映像解禁!!映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』本編映像
■大場正明(映画評論家)
なかなかGOOD!
事件の当事者たちの証言が食い違う羅生門スタイルのドラマ。白人貧困層の厳しい現実とフィギュアの華やかな世界との激しいギャップ、俳優陣の熱演と怪演、シリアスとユーモアを往復するような演出が強烈な印象を残す。
■LiLiCo(映画コメンテーター)
超オススメ、ぜひ観て
結局生まれ育った環境なんですね。このお母さん怖すぎます。ボディーガードも人間としてどう見たらいいのか疑問。ラストに本人たちの映像が出てきて、もっとゾッとしました。いろんな人がいるんだなぁ。役者が激似!
■わたなべりんたろう(映画ライター)
超オススメ、ぜひ観て
破格の面白さに加えて泣かされた。アメリカ論でもある映画だが、与えられた宿命の中でジタバタ生きる人間模様を新しい視点で描くという作り手の意図がわかると一気に視界が開かれた思いになる。レベルの高い映画だ。
シカゴChicago/長い夜 25 Or 6 To 4 (1970年)
(町山智浩)いま流れているのはシカゴというバンドの『長い夜』という有名な曲なんですけども。こちらがこの映画の中で非常に感動的にかかるんですけどね。
”25 or 6 to 4” を「長い夜」と言う邦題にしたディレクターさんはたいしたもんだ
「いやぁー、映画って本当に良いもんですね!」