疑問符の24: 再臨界 | 夢破窓在のブログ

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 疑問符の24: 再臨界

「再臨界の可能性はあるのか?」
「ゼロではありません」

こんな愚問・愚答がなされたと言うのです。

質問した男は、「臨界」と「核連鎖反応」と「超臨界核連鎖反応」の違いを理解していないのです。
これでも自称「俺は放射能には詳しい」と言うのですから、たまったものではありません。
この男は学生時代は全共闘の活動に時間を割いて、単位をとるのがやっとだったはずです。放射線に詳しい筈がありません。

「臨界」とは、熱中性子を浴びて、核燃料が一瞬だけ燃え上がった状態です。十分な量の熱中性子が供給され続けないと連鎖反応が継続する事はありません。

「核連鎖反応」とは、十分な量の減速材によって作られる、熱中性子と毒物質の管理がなされた環境で、何回もの臨界が起きた末に核反応が連鎖する状態を言います。制御棒が挿入されて毒物質が増加し、減速材の水が気体になったり、量が減ってしまって熱中性子の量が減っては連鎖反応の継続は困難になります。

「超臨界核連鎖反応」というのは原爆の世界の話です。
93%以上の純度の燃料がなければ発生させることはできません。
3.5%のU235の燃料棒や、これにプルトニウムを加えて7%ほどの濃度にしたMOX燃料では起こる事は有り得ません。

「臨界」が起きる可能性はゼロではありませんでしたが、正確にシミュレーション出来たとしたら表示される確率はゼロだと思います。

圧力容器を抱えるようにして作業している人がいれば、JCOの例のように危険です。原子炉建屋の中に人がいなければ危険な状態ではありません。

「ゼロではない」と答えた方も間抜けでした。
再臨界がどんな確率で起きるのかを一緒に答えるべきですし、再臨界によってどのような影響があるのかも一緒に答えるべきでしょう。
原子炉建屋内に人がいないのに、圧力容器内で再臨界が起きたとして、どのような影響があるのでしょうか?
格納容器内に漏れ出す中性子は僅かです。
距離の2乗に反比例して被曝量は減ります。
40年もの間何基もの原発を運転してきて問題になるような中性子線被曝の事故報告はなされていません。

核連鎖反応が起きたとしても硼酸水を投入する体制は出来ていたのですから、消し止めれば良いだけの話です。

「臨界の確率はゼロではない」と言う話は嘘だという話があります。
海水注入のドタバタで話の辻褄を合わせるために、言ってもいない事を言った事にさせられたという話です。あきれて物が言えません。

「超臨界核連鎖反応」は原爆で起きる事象なのですが、何kgかの核爆弾用のプルトニウムに中性子を浴びせても核爆発は起こりません。
と言うか、ミクロにみれば超々ミニ核爆弾が爆発するのです。それによってプルトニウムの塊がぶっ壊されてしまうのです。爆弾が壊れてしまうと爆発のしようがないということになります。
これを避けるには高性能爆薬で「爆縮」という事を行なう必要があります。
中性子を照射し即火薬を爆発させて爆弾を飛び散らせずに超臨界の連鎖に導くのです。大変精密な制御と高性能爆薬が必要になります。

ある国が屁のような核実験を2回ほど行なっていますが、爆縮が上手く行かずプルトニウムの一部しか爆発しなかったようです。
しかたがないのでミサイル用の小型爆弾の実験をしたと言っています。

3号機の爆発が核爆発だった、などとトンでもない嘘をつく輩がいたりします。
爆縮が行なわれていないから爆発するわけがありません。
プルトニウムの濃度が93%以上ないと爆発は起きません。使用済み燃料棒には1%のプルトニウムしかありません。
プルトニウムに含まれるPu240、Pu241の割合が大きいと爆発時に不具合が生じて大爆発には至りません。

核爆発なんて簡単に起こす事は出来ません。反核団体は好き勝手に嘘をつきまくります。