先日、京都大学特定准教授で文芸評論家の浜崎洋介氏の動画を拝見しました。その中で紹介されていたのが、古代ギリシャの哲学者アリストテレスの思想、特に『ニコマコス倫理学』です。アリストテレスは「よい人間とは幸福感をもつ人間である」と述べ、その幸福は偶然に得られるものではなく、道徳や倫理観を備えた生き方の中で育まれるものだと説いています。そして、その倫理観はどこで育つのかといえば、間違いなく「よい共同体」である、という指摘に強く心を打たれました。
よい共同体があるからこそ、よい人間が育ち、結果として幸福感が社会に広がっていく。逆に言えば、共同体が荒れれば、人の心も荒れていくということなのかもしれません。私はこの考え方を、まさに倫理法人会の存在意義そのものだと感じました。私たちは成功や成果のためだけに集まっているのではなく、幸福に生きるための学びの場として、この会を運営しているのだと思います。
そんな思いを新たにした矢先、役員朝礼で印象的な場面に出会いました。チェックリーダーに指名された榎本治司さんが前に出た際、床に小さなゴミが落ちていることに気づき、誰に見せるでもなく、黙って拾いポケットにしまわれたのです。自然な所作でした。その姿を見て、いい習慣を身につけていると感じました。
良い習慣は、教え込まれるものではなく、良い人に囲まれることで身についていくものです。倫理法人会の学びの場が、まさにそのような空気を持った「よい共同体」であり続けることが、私たち一人ひとりの幸福につながっていく。会長として、その場を守り、育てていく責任を改めて胸に刻んだ出来事でした。


