
イタリア漆喰の起源は古代エジプト時代に遡ります。ギリシャ、ローマ時代と時を経てヴェネツィア共和国繁栄期に建築装飾仕上げとしてイタリア全土へと浸透して行きました。
世界最古の建築書(紀元前25年)と言われる『ウィトルウィウスの建築書』にはその時代すでに確立していたイタリア漆喰についての細かい記述があります。
石灰や大理石粉・砂等を原材料としてコテで塗り重ね最後に艶を出す仕上げは伝統的、古典的仕上げとして今も変わらないものです。
古くはウィトルウィウスの教えに忠実でもありストゥッコ芸術の解説者でもあったルネッサンスの建築家パラディオにより、また、忘れられていたストゥッコ技術の復活に力を注いだカルロ・スカルパらによりイタリア漆喰は西洋の建築文化の一部として今も受け継がれ続けています。

カルチェラザータとはイタリア語で「髭剃りあと」の意。
ややこしいのですが、これは材料の名前ではなく表現方法の名前です。
後出の「イントナコフィレンツェ」という骨材入りの材料を下地に、「グラッセロ」というイタリア漆喰で仕上げたものです。
イントナコフィレンツェの骨材が透け、まるで「髭剃りあと」に見えるのが名前の由来です。







