世界最古の建築書(紀元前25年)と言われる「ウィトルウイルスの建築書」には、その時代にすでに確立していた西洋漆喰についての記述があります。
大理石粉や砂などの原材料としてコテで塗り重ね最後にツヤを出す仕上げは、伝統的な、古典的仕上げとして今も変わらず受け継がれております。
「カルチェ・ラザータ」は下塗りとして「イントコナ・フィレンツェ」という粗い骨材(石を砕いたもの)の入った左官材を塗布し、この上に「グラッセロ」でパターン付けする仕上げです。黒っぽい斑点がたくさん出て、ちょうど髭剃り後の肌のように見えます。
天才建築家:カルス・スカルパが50年以上前にスタッコ・アンティコをつかいましたが、カルス・スカルパがこのんで使用した仕上げです。カルチェ・ラザータは翻訳するとそのまんま・・・髭剃り跡のいみなのです。
あくまで仕上げ方法の名前で商品名ではありません。以前、私も材料と仕上げが一致せず混乱しました・・・。
いかにも、荒々しい素材感と品のいい光沢を兼ね備えた、イタリアらしいダンディな仕上げです・
グラッセロはベネチアーノよりツヤが落ち着いた感じになります。ベネチアーノをカルチェ・ラザータ風に・・・しかも材料単価をおさえて施工する裏技もありますが、それは機会があれば紹介します。
イタリアと言えば・・・昼寝? 以前、同じ「エバーファースト」社で扱っている、イタリアンモザイクタイルを「石本建築事務所」の札幌支店で「登別グランドホテル」の女性大浴場で採用していただきました。商品は「べトリカラー」・「シーレックス(販売終了)」の2品・・・で、前もって納期確認をしたところ、船便で半年位先だということで・・・当然、納期交渉をお願いしたのですがさっぱり急いでくれる気配がないと・・・。軽い目眩をおぼえながら、国が違うとこんなものだと・・・感じながらも、何度も何度も交渉し何とか間に合い無事施工できました。「ビバ!イタリア!ありがとう兄弟!」と叫びながら・・・打ち上げは盛り上がりましたぁ!!
その年度、北海道の建築かデザインの賞を頂いたそうです。
ちなみに、以前紹介した「札幌ファニシング」の設計も「石本建築事務所」です。