393. それは愛じゃない | 藤川恵美子脳洗浄®︎代表

藤川恵美子脳洗浄®︎代表

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PARAFUSE.代表
藤川恵美子

台湾で5年ぶりに会った生徒に
ハグをしたら泣かれた

ロングの美しい髪はバッサリと
ショートになり
髪の毛はほぼ真っ白だった

理由がわからないまま
1日滞在を延長して
2人きりで一緒に過ごした





経済的な理由なのか
家族のことなのか
仕事のことなのか
人に騙されたのか
友人のことなのか

敢えて本人には
質問をせずに
ベッドに横になってもらい
愛を込めて施術をした。

ガチガチに緊張している
頭を優しく優しく
揉みほぐしている間に
彼女はいつの間にか寝ていた





何があったのか
彼女から話すまでは
私からは質問をしないと決めて
2人きりで時間を過ごしている時だった

「先生はお腹がすきましたか」

「そうだね」

「コーヒーは好きですか」

「好きだよ」

「待っててください」

と日本語で会話をすると
彼女は私のためにお餅のデザートや
アイスコーヒーを買って来てくれた





私の財布の中にあるお金を
もしも彼女が困っているなら
全部渡してもいいと
ポロッと仲間に
話したのは嘘じゃない


しかしむしろ
彼女の行動をみると
私に何かを買って渡したいという
欲求がずっと続いていた





「先生は漢方のお茶が好きですか」

「好きだよ」

「ちょっと待っててください」

足裏マッサージの店で一緒に飲んだ
漢方のお茶が美味しかったことを
覚えてくれていて
5袋も購入して私に
プレゼントをしてくれた
それはけして安くはない金額だった

「こんなにたくさん?」

「先生!軽いですから持っていってください」

「ありがとうね」





一緒に泊まった部屋で
施術のやり方を教えたり
近所にお粥を食べに行ったり
マッサージ屋に行ったりしながら
ただひたすら

気持ちいいね
美味しいね
幸せだね

と繰り返し伝えていたら
いつの間にか彼女が笑ってくれた





結局最後まで何があったのか
彼女の口から私に話すことは
なかったし
私も何も聞かなかった

私はここ最近学んだことがある

困っている人々を見て
自分が辛くなりサポートをするのは
愛じゃない
それは自分が辛いのを
楽にしたいからだ

彼女たちは何も言ってない





むしろ
ただひたすら
一緒にそばにいて
彼女がしたいことを
受け入れてあげたい

日本人は遠慮をする癖があるし
ついつい相手の気持ちを知らずに
一方的に助けてあげたくなる
習性があるが

それは愛じゃない

愛とは一緒に時間を過ごすこと
ただ寄り添い
まるごと受け止めてあげることだ





辛い時こそ
人の役に立ちたいと思い
行動をすることが
自分をやがて辛い状況から
救い出すことになるからだ

その自立するための行動を
私たちが過剰にサポートをするのは
間違っている

彼女と共通の知り合いが
彼女の身に起きたことを
私に話してくれた時

今までの私なら彼女を
日本に連れて帰る!と宣言し
即座にチケットを購入したに違いない





でも今の私は違う

「これからどうしたいの?」

「先生と一緒にいたいですが
お金を貯めてがんばります」

「待ってるよ」

人はミッションがあれば
生きていく力になる

私は彼女が自分の力で
いつか私に会いに来る日を
待つことにした

5年ぶりの再会だったが
次に会う時はもっと早いはずだ

彼女はセラピストとして
活躍できるからだ