フィギュアスケートの浅田真央さんの姉、舞さんは、
一時期ぐれていたらしいです。
舞さんもフィギュアスケートの選手でしたが、
妹の真央さんが優秀な成績をおさめるにつれて
周囲から比較され、精神的に苦しくなっていきました。
そして、両親からの
「舞の教育は失敗だった」
という一言が引き金となって、舞さんはぐれてしまった
そうです。
今は自分の道を見つけて活動していますが、浅田姉妹の
ケースは、差がある兄弟姉妹を健やかに育てるのは
難しいということを示しています。
出来の違う兄弟にうまく接したケースが、
漫画「タッチ」の上杉兄弟の両親です。
出来の悪い双子の兄、上杉達也と
勉強も野球も優秀な努力家の弟、和也。
周囲からは
「ぐうたら」
「弟の出がらし」
とさんざんな評価ですが、達也は
そんな評価に心を乱すこともありませんでした。
女の子からはもてないものの、男友達は多く、
人望のあつい人間に育っています。
弟和也に対しても嫉妬することなく、
一見ぶっきらぼうに接していますが、とても
弟思いの兄となっています。
自分も好意を持っている幼馴染、朝倉南
を譲ろうとするぐらいです。
実は相当な人格者の達也。
そうなったのは、両親の接し方にあります。
漫画の中で一度も、出来のいい弟と比較して
けなすようなことはありませんでした。
両親は達也の良さもきちんと認めていた
のです。
こんな場面がありました。
和也のチームが、高校野球の予選で勝ち進み、
父親の友人たちが上杉家で宴会をしていました。
酔っぱらった親父連中の一人が、和也に祝い酒を
飲ませようとします。
その時、達也が登場して、飲ませようとした酒を
払いのけ、
「明日は和也は試合があるんだ!騒ぐなら
自分たちだけでやってくれ!」
と、和也を連れ出します。
そんな達也を見て、飲ませようとした親父は、
「なんだ?出来のいい弟に
嫉妬しているんじゃないのか」
とののしります。
すると、コップに入っていた酒を、
その親父の顔にぶっかけて、
「達也はそんな男じゃない」
と父は言います。
目は笑っていますが、相当怒っています。
達也の良さを両親が認めているからこそ、
どんなに周囲から評価されても、達也は
健やかに育っていったのでしょう。
親が子供を比較せず、それぞれの良さを
認めることが、出来の違う兄弟姉妹を
健やかに育てるコツでしょう。