宝石を買う女~成金と蔑まれて~Fin | シン・135℃な裏庭。

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~カタチあるものは変化していく



久遠の大河のうねりにあらがうことなどできない。


私はこの石たちをベッドに並べて目を閉じる。


まもなく私の短い生涯は幕を閉じるであろう。


私は石たちの命とくらべて人間の与えられた瞬間ともいえるほどの時のリズムを寂しく思う。


私は石と出会い石と同化し石に意識を変えられ石を愛した日々とのお別れを先に旅立つこの身を寂しく思う。



(さみしく思う必要などありません


私達は永遠に離れることはないということを、あなたはまもなく実感することでしょう)



地球のどこかで石を採掘し続ける顔も知らない子どもたちのことを思う。


~どうか笑顔でいてほしい~



これが私の底からの願いのようだった。


ひとしずくの涙がこぼれおちる。


涙は空を駆け抜け、天界からまっすぐに降ろされたまばゆい光と交合した。


圧倒的な光を受けながら私は漆黒の宙の中でひときわ輝く宝石となった。

そうだった。


すべてはスターダストであった。


すべてのイノチのはじまりはスターダストだった。


私も石も地球も星星もすべて。。


私は石たちと同じ久遠のイノチの存在だった。


漆黒の宙の中には無数の光輝くスターダストが私を祝福している。


それは光であり音楽でありバイブレーションだった。


ふと眼下を眺める。


ベッドに横たわった私と石たち。


私の瞳から一条のスターダストがこぼれ落ちている。


石たちが優しく瞬き私にあいさつをおくってきた。


(私たちが永遠に離れることはないということをあなたは実感するでしょう‥)


宙の宝石となった私にとっての確かなことは、私が石を愛したこと、石が私を愛したこと、その記憶は永遠に刻印されているという実感だった。



~私はあなたの輝きを反射して


あなたは私の輝きを反射する~




それは 久遠の大河の水面に踊るこの生きたきらめき。。










~Fin。☆