(今日のお話は、10月7日投稿のしゃべることのない二人の続きです。よかったら、まずそちらをよんで下さいね♪)
小さい子どもとまじって、
私の側に立っている。
まえに、おじちゃんにつかまって歩いていたナリ君は、
このごろ、私を守るように横に立つ。
おじちゃん、
こんなにナリ君、大きくなったのよ…
私は、この10年間に、
一人の職員の死にあった。
芙蓉をみるたび胸が痛い。
横田のおじちゃんのこと、
ねむの木の花の咲くころおもいだす。
松林も同じ、海の音も同じ、
すこし大きくなった
ねむの木のたけ、
ナリ君の背の高さ、
ナリ君の言葉の多さ、
チューリップの花の数の多さ。
おじちゃん、
ナリ君のチューリップの絵ね、
東京の地下街で
日比谷から銀座まで、
ずっとつづけて飾ったんだよ。
地下街にお花を咲かせたんだよ。
横田のおじちゃん…
よろこんでくれてる?
ねむの木のこどもたちより
宮城まり子さん