今のところ、さっぱり。
久しぶりの読書日記はこちら。
「恋文の技術」森見登美彦
全編、手紙の文章で構成された「書簡体」の作品。
その手紙は全て主人公の書いたもので
返信は紹介されないので、独白に似た趣もある。
でも、誰かに向けて語るということは
独白とは明らかに違うんだな。
書き手は主人公ひとりだけれど、受け手は複数
存在していて、同じ出来事を伝えても
その受け手によって、脚色が加わったり
調子が変わったりする。
「相手を意識する様」がこの小説の面白みであり
テーマであると思う。
まあ、テーマなんて考えなくても
元々、言葉で遊ぶことが大得意な作者だから
主人公の書く、過剰なまでのウィットに富んだ
手紙の文章を味わうだけでも十分愉しめる。
それでいて、読み進めるうちに主人公や
周囲の人々の思い、動向が明らかになり
ひとところに集約していく感じ。
ミステリーの謎解きを読むようでワクワクしました。
結局、「落ち」は付かないんだけどね。
それが余韻になって、良い終わり方だと思う。
やっぱり、森みー(←私の中での森見氏のあだ名)
の書くお話は面白いなぁ、と感心したのでした。



