3月25日 22時20分
先日発表された米誌フォーブスの億万長者ランキングで、
まず上位10傑では顔ぶれの変化に大きなものはない。
1位は2年連続でユニクロを展開するファーストリテイリング会長の柳井正氏。
昨年の資産6000億円から今年は6900億円へと、また一歩飛躍した。
そしてランキングで最も目立ったのは、
昨年末からキリンとの統合に向けてスポットライトを浴びたサントリー会長の佐治信忠氏。
順位は前年7位から2位へ、そして、資産額はほぼ倍増となる3500億円から6800億円になっている。
上場企業ではないために集計元のフォーブス以外は分からないが、
サントリーはビール事業では初の黒字化を達成、業界3位に躍進。
ハイボールの大ヒットなど業績を伸ばしている。ここまで僅差になることは想像に難かったのではないだろうか。
佐治氏は1メートル80近い大きな体と、口髭で印象的な風貌の佐治氏。
大きな声で「ガハハ」と笑う親分的存在のキャラクターでもある。
今後はさらに、国内外問わず、大型M&Aを仕掛けることを明言しており、
佐治氏のキャラクターどおり攻めの経営で来年のランキング争いは意外におもしろくなるのかもしれない。
フォーブス長者番付(資産の単位は10億ドル、敬称略)
1位 柳井正一族 7.6 ファスリ会長 61歳
2位 佐治信忠 7.5 サントリー社長 64歳
3位 森章一族 6.3 森トラスト社長 73歳
4位 孫正義 5.9 ソフトバンク創業者52歳
5位 毒島邦雄一族 5.4 SANKYO創業者84歳
6位 三木谷浩 4.8 楽天社長 45歳
7位 山内溥 4.2 任天堂相談役 82歳
8位 糸山英太郎 3.4 新日本観光代表 67歳
9位 滝崎武光 3.1 キーエンス創業者 64歳
10位 三木正浩 2.2 ABCマート創業者54歳
※11位以下は次ページ
■ついに30代登場
若い富裕層の台頭は珍しくはないが、さすがにビリオネアは積み重ねがモノを言う世界。
なかなか30歳代の登場は難しいのだが、33歳のグリー創業者の田中良和氏が約1300億円で16位に登場した。
ランキング22人中60歳代は8人、80歳代が5人、70歳代が4人という年齢構成となっている。
そうした百戦錬磨の経営者に交じって顔を並べる、田中氏の存在は異色でもある。
すべての始まりは、たった一人で立ち上げたSNS「GREE」。
それが、今多くの人に認められる存在となった。
今回の発表は、若い世代に希望を与える結果でもある。
ちなみに世界規模で見ると、田中氏は世界全体で2番目に若い。
そして、1位マーク・ザッカーバーグ氏(26)も奇しくも同じSNSである「フェースブック」を展開している。
このあたりも世代や時代背景を反映しているのか。
11位 永守重信 2.0 日本電産創業者 65歳
11位 高原慶一朗 2.0 ユニ・チャーム会長 79歳
13位 伊藤雅俊 1.9 セブン&アイ名誉会長85歳
14位 韓昌祐 1.8 マルハン会長 79歳
14位 多田勝美 1.8 大東建託会長 64歳
16位 森稔 1.4 森ビル社長 75歳
16位 田中良和 1.4 グリー創業者 33歳
16位 福武總一郎 1.4 ベネッセ会長 64歳
19位 神内良一 1.3 プロミス創業者 83歳
20位 船井哲良 1.2 船井電機会長 83歳
21位 岡田和生一族 1.0 アルゼ会長 67歳
21位 島村恒俊 1.0 しまむら創業者 84歳
■京都の名物経営者が18位→11位
今年2月に行われた、バンクーバー五輪スピードスケート男子500メートルで、
長島圭一郎、加藤条治の両選手がそれぞれ銀、銅メダルを獲得した。
2人の所属は日本電産の子会社・日本電産サンキョー。
同社は11位にランクインしている永守重信氏が会長を務めている。
M&Aを繰り返してきたが「一人もクビを切らない」という、
雇用不安を慢性的に抱えている社会の中にあって常にその発言と行動は注目されている。
2003年にサンキョーを買収した際には、スケート部は廃部とも言われたが、
永守氏は目先の損得よりもポケットマネーでも存続させることを約束し、それがようやく結実した形だ。
永守氏は今後、部員を最盛期の30人くらいにまで増員したい考えのようだ。
自身のランキングも昨年18位から11位に上昇。トップ10入りも目前となっている。
明るい話題が少ないこうした時代なのか、経営者の顔がよく見える。