先週観た映画たち(その171)/『her 世界でひとつの彼女』 | John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

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『her 世界でひとつの彼女』



先日、『トランセンデンス』をご紹介した時に話しましたが、この作品も人工知能を扱った映画です。『トランセンデンス』が人間の頭脳のデータをコンピュータにアップロードしたら、人間の意思は再生できるのかというテーマでしたが、今作ではコンピュータの人工知能が、どれほどに人間の思考回路に近づけるのか、人間の様に感情を持ち得るのか,というテーマで作られています。『トランセンデンス』がSFだったのに対して、本作はSFというよりもファンタジーに近い作品という印象でした。

ホアキン・フェニックス演じる主人公セオドアは、妻と離婚調停中で、無味乾燥な生活を送っていました。そんな時に偶然知った新たなコンピュータOSを手に入れます。このOSは従来のものとは異なり、白黒をハッキリと付けるのではなくグレーゾーンも理解し、遣い手によって進化する人工知能を搭載していたのです。セオドアはこのOSを女として設定した事で、「彼女」との奇妙な生活が始まります。

このテーマ、意外と昔からあるんですよね。ある意味では、綾瀬はるか主演の映画『僕の彼女はサイボーグ』も同テーマでしたし、さらに昔では手塚治虫さんの大河作品『火の鳥』の「復活篇」のテーマがまさにこれでした。『火の鳥/復活篇』ではロボットと人間の間の恋愛がテーマでしたね。

さてこの作品、「彼女」の声をスカーレット・ヨハンソンがOSの声だけの出演で映画賞を取った事でも話題になりました。それでも、最終的にこのストーリーの落とし所をどこにするのか、によって最終的な評価が変わってくるだろうと思っていましたが、(ネタバレ注意)結局は曖昧な終り方になりましたね。その部分を、観客に任せるというやり方は、少々ズルいやり方で、ある意味逃げを感じる部分でもありました。しかし悲劇的なエンディングを避けるための方策だとしたら・・・とも考えていたところに、エンドロールと一緒に流れてきたメロディに付けられた歌詞が、意味深な内容で・・・しかも作詞者が、監督のスパイク・ジョーンズ自身とあっては・・・。もしかしたら、そういうことなのかなァ・・・。
まずまず楽しませてもらいました。