ZONEのこと(その2) | John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

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ハンドメイド・エフェクター・ブランドBOOROCKS(ブロックス)のスタッフによる、音楽(BEATLES & Fender)と映画の気ままなブログ。

昨日に続いて、ZONEの話をしようと思います。私が以前勤務していたフェンダー社において、アーティスト・プロモーションの仕事をしていたことで、ZONEとはデビュー前からの付き合いでした。そんなZONEとの思い出をまた語ろうかと思います。

ZONEのデビュー前の楽曲、「believe in love」を聴くと、SPEED系のダンス・ボーカル・グループを目指していた事が判りますね。ソニーでのメジャー・デビューにあたり、SPEEDの二番煎じを避ける方向性が検討され、急遽バンド形態でダンスを踊るというスタイルにシフト・チェンジすることが決まり、バンドルという造語が提案されたのです。しかしこの時点でZONE自身が演奏することまでは考えられていなかったと思われます。

彼女たちが東京にやって来たのは、銀座にある音響スタジオで、デビュー曲「Good Days」をレコーディングするためでした。その前にフェンダーのショールームに立ち寄り、ZONE自身が楽器の選定をしていったのです。
羽田に降り立ったZONEはもちろん全員で東京に来るのが初めて。しかもMIYUは飛行機も初めてだったとのこと。MIYUに「初めての東京はどう?」と訊くと、空気に色が付いてる、との言葉が! これには驚かされました。東京の空気が汚れているのがMIYUには見えたんですね。


(ZONEのデビューシングル「Good Days」)

それはさて置き、フェンダーでの楽器選定ですが、TAKAYOに関してはソニーの若きディレクター氏の強い要望で、フライングVを持たせて欲しいとのリクエストがありました。フェンダーに対してギブソン社の製品を持たせて欲しいというのも相当に無茶な話でしたが、フェンダーの輸入元である楽器店が、当時ギブソンの輸入も行っていたため、本意ではなかったのですが、お願いしてギブソン傘下のエピフォン・ブランドのフライングVを用意してもらったという次第でした。
その時に用意したギターやベースは、基本的にフェンダーのメキシコ工場で生産された製品でした。と言うのもその時期、日本にメキシコ製品を本格的に輸入し始めた時期でもあり、プロモーションを集中的に行い始めていたのです。MIYUが選んだギターは、あの「secret base~君がくれたもの」でも弾いた、テレキャスター・シンライン(72 Telecaster Thinline)のナチュラル仕上げ、MAIKOが選んだベースは、2カラーサンバーストのプレシジョン・ベース(Deluxe P-Bass Special)でした。女の子が選ぶとあって、パステル・カラーも含めて、色とりどりのカラーの楽器を用意していたのですが、二人とも渋好みでビックリしました。

しかし結局TAKAYOの好きだったギターは、テレキャスターだったことが判り、しばらくしてから、テレキャスターのスペシャル・ヴァージョン「ナッシュビル・テレ」を用意しました。(実際にはセカンド・シングル『大爆発No.1』用に用意した楽器をTAKAYOがフライングして使用したと言う事なんですが。)TAKAYOのテレキャスター好きは、吉田拓郎の影響もありました。そのテレキャスターをフライングで使用した「Good Days」の映像が残されています。


さて、この初上京の際に「Good Days」のレコーディングが行われたことは、前に書いた通りですが、その時の話はまた明日に。