日本のロック黎明期の記憶(その28)/『柳ジョージ』(1) | John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

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私自身が体験してきた日本のロック黎明期の話です。1970年代前半を彩ったバンド、アーティストを紹介しています。これまでジャックス、The M、はっぴいえんど、フライドエッグ、キャロル、四人囃子、サディスティック・ミカ・バンド、カルメン・マキ&OZなどを紹介してきました。また前回は、日本最初のスーパー・ギタリスト大村憲司さんをご紹介しましたが、今回はロック黎明期から第一線で活躍してこられた柳ジョージさんの話です。

柳ジョージさんは、1969年にブルース・ロック・バンド、パワーハウスでデビュー。その時、ジョージさんはギターではなく、ベースを弾いていました。メンバーは他に、ギター・陳信輝、ボーカル・竹村英司、ドラムス・野木信一というメンバーで、東芝(エクスプレス・レーベル)に一枚だけアルバムを残しています。当時、ジョージさんはまだ日本大学に在学中でした。


(パワーハウスの唯一のアルバム『ブルースの新星/パワーハウス』)

このアルバムには、ビートルズがリリースしたばかりの『ホワイトアルバム』から、「Back in the U.S.S.R.」「Ob-la-di, Ob-la-da」のカバーをはじめ、ウィリー・ディクソンの「Hoochie Coochie Man」、ジミ・ヘンドリックスの「Foxy Lady」、ヤードバーズの「You Are Better Man Than I」「Good Morning School Girl」、クリームの「Spoonful」、そして「I Want To Know」という曲の全8曲入りでした。最後の「I Want To Know」は、エリック・クラプトンがブルース・ブレーカーズとクリームの間の時期にパワーハウスという仮のバンド名でレコーディングした曲で、オムニバス・アルバム『What’s Shakin’』に収録されていました。ジョージさん達のバンドの名前、パワーハウスは、このクラプトンの臨時バンドの名前から拝借したものでしょう。

このアルバム中の「Spoonful」でジョージさんは、ボーカリストとしてデビューしています。それがこれです。

この時また弱冠21歳のジョージさんですが、後の渋いあの声の片鱗がもう既に備わっていたのが判りますね。

10年以上前に私が企画して、フェンダーのメール会員イベントとして、ジョージさんのトーク&ミニ・ライブを開催した事がありましたが、その時にジョージさんに私の所有するパワーハウスのシングル盤「Ob-la-di, Ob-la-da / Back in the U.S.S.R.」をお見せした時には、懐かしそうにその時のことを語ってくれたものでした。

この続きはまた明日に。