先週観た映画たち(その169)/『パークランド』 | John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

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『パークランド —ケネディ暗殺、真実の4日間』



1963年のケネディ大統領暗殺事件の真相に関しては以前より興味があり、いろいろな本も読みました。そんなこともあり、この作品には注目していました。

見終えた時点で、思っていた内容ではなかったことに軽く驚いたのですが、当初、隠されていた真実が暴かれるのかと思っていたのです。しかしこの作品は、あの大事件の発生からの4日間を、ある特定の位置の主観などを交えずにドキュメンタリー・タッチで再現するということが眼目の作品でした。

大統領暗殺場面を偶然近くで撮影していた一般人の視点、大統領が運び込まれる病院側の視点、大統領のシークレット・サービス側の視点、ダラス警察側の視点、そして犯人とされたオズワルド一家の視点、この5者の視点からそれぞれの4日間を描いています。極めて客観的な描き方で、当然のことながら当時の記録フィルムも数多く挿入され、本当にドキュメンタリーを観るようでした。

特にダラス警察側とシークレット・サービス側の確執が想像以上で、共産主義に染まっていたオズワルドを極秘調査していたダラス警察が、その調査資料を連邦政府に知られない様に秘密裏に焼却していた場面などは、本当に真に迫っていました。

ちなみにこの原題『パークランド』とは、狙撃された大統領が運び込まれた病院の名前で、しかも犯人とされ数日後に大統領同様に暗殺されたリー・オズワルドが狙撃後に運び込まれた病院でもあったのです。

現職大統領暗殺というこの大事件の、新しい事実が描かれる訳ではないのですが、製作者側の主観を交えることなく作ろうとした意図には共感を覚えて、個人的には好きな作品です。