ビートルズ、シングル盤私的雑感(その125)/オール・マイ・ラヴィング/ラヴ・ミー・ドゥ(2) | John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

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今回も1960年代から70年代にかけて、世界中で数多くリリースされた各国独自のビートルズのシングルの話です。昨日に続いて今回も、1964年に日本独自で企画されたシングル『All My Loving / Love Me Do』の話です。


(レアなスウェーデンの EP盤『All My Loving』。他に「Ask Me Why」「Money」「P.S. I Love You」を収録)

昨日、「All My Loving」が、アメリカでシングルとして何故リリースされなかったのか、ということで話をしましたが、それに対していつもコメントを下さるモトヤマさんが、今回も面白い説を下さいました。モトヤマさん曰く「ビートルズ以前の、キャロル・キングなどの作品の傾向を持っていたからでは」というお話でした。この説、成る程と感心し、私も非常に面白いと思ったものですからまた考えてみました。

ビートルズ以前の古いタイプの曲とビートルズ以後の曲で、最も変わったところとは一体何だろうと考えてみました。古いタイプは曲そのもののメロディ・ラインを聴かせるもの、それに対して。ビートルズの楽曲(特にシングル曲)の特異点は、決め所を持っていること、言い替えればどこか一点、キャッチーな部分を持たせている、ということでしょう。例えば、「Please Please Me」では頭のメロディ「Last night I said...」の部分のコラースがインパクトが非常に強く、「From Me To You」では出だしのメロディから聴かせどころ、「She Loves You」「Can’t Buy Me Love」などもこのタイプですね。また「I Want To Hold Your Hand」では、曲全体がキャッチーですが、敢えていえば「I can’t hide」の部分と「I wanna hold your h------and」の部分でしょうか。と言った具合にキャッチーな部分を必ず入れているという特徴があったのですが、「All My Loving」の場合は、メロディで聴かせるという曲でした。確かにそういった意味ではタイプとして、古い部類に入った曲と言えそうです。

しかし、古いタイプと言っても、それだけでは終らないのがビートルズのビートルズたる由縁。それを違った聞こえ方をするようにアレンジで工夫をするという手法をチャンと入れていますね。「All My Loving」ではそれがジョンによる、あの三連ギターと言えましょう。この後のビートルズの作風では、新しいコード進行や、「Day Tripper」などのようにハッとさせるイントロを加えるなど、新しい手法の一つとなっていきますね。その意味では、古いタイプの曲ではあっても、どこかに新しさ・キャッチーさを入れていたという一例の部類に入るのが、この「All My Loving」だったと言えるかもしれませんね。

この続きはまた明日に。