背中越しの愛 ⑧
「雄…輔、さん?」
目に入ったのは、頭にタオルを巻いた雄輔さんの姿。
「…、おいっす。
もう退院したんか?」
雄輔さんは、喉まで出かかった何かの言葉を飲み込んで話しかけてきた。
「はい…」
雄輔さんは近づいて、アタシの隣へ座る。
静かな空気の中、
波の音だけが響く。
二人揃って海を眺めてる中、雄輔さんが沈黙を破った。
「…お前、覚えてんのか?」
「…えっ?」
この言葉。
アタシが…忘れてる事だって意味だ。
胸が痛む。
「…いや、なんでもねえ!
もう陽もくれっけどまだ帰んないの?」
雄輔さんが立ち上がって夕日を見つめる。
気づけば陽はもう沈みかけている。
「あ…
ホントだ、もう帰らなきゃ…。」
「んじゃ、危ないし…送ってくわ。」
「え?でもアタシの家…」
知ってるはず…無いよね?
アタシがそう言うと、マズイと言うような顔を一瞬見せたけど、
すぐに笑顔になった。
「俺はなんでも知ってんの!
さ、行くべ!」
雄輔さんは満面の笑みで
アタシに向かって手を差し出した。
目に入ったのは、頭にタオルを巻いた雄輔さんの姿。
「…、おいっす。
もう退院したんか?」
雄輔さんは、喉まで出かかった何かの言葉を飲み込んで話しかけてきた。
「はい…」
雄輔さんは近づいて、アタシの隣へ座る。
静かな空気の中、
波の音だけが響く。
二人揃って海を眺めてる中、雄輔さんが沈黙を破った。
「…お前、覚えてんのか?」
「…えっ?」
この言葉。
アタシが…忘れてる事だって意味だ。
胸が痛む。
「…いや、なんでもねえ!
もう陽もくれっけどまだ帰んないの?」
雄輔さんが立ち上がって夕日を見つめる。
気づけば陽はもう沈みかけている。
「あ…
ホントだ、もう帰らなきゃ…。」
「んじゃ、危ないし…送ってくわ。」
「え?でもアタシの家…」
知ってるはず…無いよね?
アタシがそう言うと、マズイと言うような顔を一瞬見せたけど、
すぐに笑顔になった。
「俺はなんでも知ってんの!
さ、行くべ!」
雄輔さんは満面の笑みで
アタシに向かって手を差し出した。
背中越しの愛 ⑦
次の日…
アタシは病院を退院した。
病院でも、ずっと雄輔さんの事を考えてた。
彼にとってのアタシ。
アタシにとっての彼。
アタシの過去。
思いだそうと、昔を少しずつ…少しずつ思い出して、考えた。
でも…何も
何も、思い出せない。
「わからない」と言った時の雄輔さんの顔、お母さんとお父さんの顔。
このままじゃ、彼に申し訳無い。
それに…
私にもマイナスな気がする。
彼は…絶対に忘れてはならない、そんな衝動がずっとおさまらない。
思い出せない自分に…腹が立つ。
家に帰る前に、少し寄り道。
いつも…来ていた、大好きな海。
だけど、どうして好きなのか…
何故いつも来ていたのか、わからない。
もしかして…雄輔さんと関係があるのかな…
そんな事を考えながら、砂浜に座り太陽光を反射する海を眺めてた…。
「覚えて…んべな?」
ふいに後ろからかけられた声。
とても心地良い、なまり。
アタシは病院を退院した。
病院でも、ずっと雄輔さんの事を考えてた。
彼にとってのアタシ。
アタシにとっての彼。
アタシの過去。
思いだそうと、昔を少しずつ…少しずつ思い出して、考えた。
でも…何も
何も、思い出せない。
「わからない」と言った時の雄輔さんの顔、お母さんとお父さんの顔。
このままじゃ、彼に申し訳無い。
それに…
私にもマイナスな気がする。
彼は…絶対に忘れてはならない、そんな衝動がずっとおさまらない。
思い出せない自分に…腹が立つ。
家に帰る前に、少し寄り道。
いつも…来ていた、大好きな海。
だけど、どうして好きなのか…
何故いつも来ていたのか、わからない。
もしかして…雄輔さんと関係があるのかな…
そんな事を考えながら、砂浜に座り太陽光を反射する海を眺めてた…。
「覚えて…んべな?」
ふいに後ろからかけられた声。
とても心地良い、なまり。













