背中越しの愛 30
アタシはその人にお辞儀をして、
動き始めた江夏さんの後をついて行った。
―――カランカラン…
「…で。家どこ?」
江夏さんが、扉を開閉する時の鈴がなり終えた後に聞いた。
「あ…この海沿いに左に進んでもらって、三つ目の角を曲がった所です」
「結構遠いのな。
ほら、乗れ」
お店の脇に止めてあったバイクにエンジンをかけて、江夏さんがヘルメットを渡す。
「え…」
「俺、バイクしかねぇし。
こっちの方が早いだろ」
江夏さんはバイクにまたがってハンドルに手をかけた。
「早く乗れよ」
「は、はいっ」
アタシはヘルメットをかぶって、後ろに乗った。
…けど、どこ持てば良いんだろ。
服?
サドル?
アタシが手をわたわたさせてると、江夏さんがフッ、と笑った。
「腰。手回してて良いから」
そう言って、前を向いた。
―――初対面の人の腰に手を回しても良いんだろうか?
いや、相手が良いって言ってるんだし…ね。
アタシは江夏さんの腰に手を回した。
動き始めた江夏さんの後をついて行った。
―――カランカラン…
「…で。家どこ?」
江夏さんが、扉を開閉する時の鈴がなり終えた後に聞いた。
「あ…この海沿いに左に進んでもらって、三つ目の角を曲がった所です」
「結構遠いのな。
ほら、乗れ」
お店の脇に止めてあったバイクにエンジンをかけて、江夏さんがヘルメットを渡す。
「え…」
「俺、バイクしかねぇし。
こっちの方が早いだろ」
江夏さんはバイクにまたがってハンドルに手をかけた。
「早く乗れよ」
「は、はいっ」
アタシはヘルメットをかぶって、後ろに乗った。
…けど、どこ持てば良いんだろ。
服?
サドル?
アタシが手をわたわたさせてると、江夏さんがフッ、と笑った。
「腰。手回してて良いから」
そう言って、前を向いた。
―――初対面の人の腰に手を回しても良いんだろうか?
いや、相手が良いって言ってるんだし…ね。
アタシは江夏さんの腰に手を回した。
背中越しの愛 ②⑨
家も近いわけだし、帰り道も解るし。
倒れてしまった面倒を見てもらったんだから…最後まで迷惑はかけれない。
アタシは丁寧に断った。
「…あのなあ?
じゃあそうですか、って帰せるワケねぇだろ?」
「いや、でも…」
本当に家は近いし―――…
「お前に拒否権無し。俺が好きで送ってくから。
ほら、来い」
そう、江夏さんはアタシに言った。
…確かにこれじゃアタシは何も言えないけど…
最初から…最後まで迷惑かけっぱなしだな…
また今度来て、お礼しなきゃ…
さかさかと歩く江夏さんの後ろを着いて行くと、一人の男性が声をかけてきた。
「体、もう大丈夫?
女の子なんだから、無理しちゃ駄目だよ、ね?」
金のふわふわの髪に、赤いピアス。
だけど、柔らかく暖かい雰囲気が出ていた。
「はい…ご迷惑かけてすみませんでした。
ありがとうございました」
「いえいえ、又店に来てくれたら許してあげるから☆
また、ね」
その人は笑顔でアタシに手を振った。
倒れてしまった面倒を見てもらったんだから…最後まで迷惑はかけれない。
アタシは丁寧に断った。
「…あのなあ?
じゃあそうですか、って帰せるワケねぇだろ?」
「いや、でも…」
本当に家は近いし―――…
「お前に拒否権無し。俺が好きで送ってくから。
ほら、来い」
そう、江夏さんはアタシに言った。
…確かにこれじゃアタシは何も言えないけど…
最初から…最後まで迷惑かけっぱなしだな…
また今度来て、お礼しなきゃ…
さかさかと歩く江夏さんの後ろを着いて行くと、一人の男性が声をかけてきた。
「体、もう大丈夫?
女の子なんだから、無理しちゃ駄目だよ、ね?」
金のふわふわの髪に、赤いピアス。
だけど、柔らかく暖かい雰囲気が出ていた。
「はい…ご迷惑かけてすみませんでした。
ありがとうございました」
「いえいえ、又店に来てくれたら許してあげるから☆
また、ね」
その人は笑顔でアタシに手を振った。
背中越しの愛 ②⑧
確かに…江夏さんは、バーテンダーとかホストをやっててもおかしくない…。
「あの…ここ、どこのバーなんでしょうか…?」
「ここか?アンタが倒れた場所のすぐ傍だよ。
知らねえ?【SEA MUSIC】って店」
【SEA MUSIC】……
そういえば、聞いた事ある。
アタシの家からは少しだけ遠いけど、
あの海や、商店街からは結構近い。
喫茶店のようなレンガづくりに、張り巡らされたツル…
そこにある、下へ続く階段からバーへ繋がっている。
【SEA MUSIC】の周りの皆の評判は良い。
アタシは行った事無かったが…雰囲気と良い、なんとなく皆が良いっていう理由が解る。
「知ってます…来た事は無いですけど、皆が良いって言ってるんで、評判はきいてます」
「え、マジか?
…まあ、剛士だろうけどな…」
剛士?
ここの人…かな?
「とりあえず、送ってくわ。家、どの辺?」
江夏さんは立ち上がって上着を着る。
「大丈夫ですよ。ありがとうございます。」
「あの…ここ、どこのバーなんでしょうか…?」
「ここか?アンタが倒れた場所のすぐ傍だよ。
知らねえ?【SEA MUSIC】って店」
【SEA MUSIC】……
そういえば、聞いた事ある。
アタシの家からは少しだけ遠いけど、
あの海や、商店街からは結構近い。
喫茶店のようなレンガづくりに、張り巡らされたツル…
そこにある、下へ続く階段からバーへ繋がっている。
【SEA MUSIC】の周りの皆の評判は良い。
アタシは行った事無かったが…雰囲気と良い、なんとなく皆が良いっていう理由が解る。
「知ってます…来た事は無いですけど、皆が良いって言ってるんで、評判はきいてます」
「え、マジか?
…まあ、剛士だろうけどな…」
剛士?
ここの人…かな?
「とりあえず、送ってくわ。家、どの辺?」
江夏さんは立ち上がって上着を着る。
「大丈夫ですよ。ありがとうございます。」