兄妹の衝動と破滅!日活ロマンポルノ「セックス・ライダー 傷だらけの欲情」蔵原惟二監督 | 東映バカの部屋

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皆様、おはようございます。
 
 
昨日は勤務時間が変更となった関係で夜中の2時半に勤務を終え、月曜日12時の始業時迄の休みとなります。今月は序盤から残業+深夜手当を稼ぐ結果となりましたが、何度も書いている通り「金は魔力=疲労感・年齢の壁等々を吹き飛ばす最善の特効薬」です。これから寝なければなりませんから本日は先週末に鑑賞した此方の作品を…DVD化作品でDMM.TV内に於いて有料動画配信が行われています。
 
 
「セックス・ライダー 傷だらけの欲情」昭和48年2月3日公開・峰尾基三/永原秀一の共同脚本・蔵原惟二監督・日活制作。
 
 

 

 

裕福な叔父の元で何不自由無い日々を過ごしていた両親を失った(と思われる)姉妹が、叔父に強要した大金(手切れ金?)を手にして車内生活を始めますが、刺激を味わいたかったのか?それとも社会への反抗か?将又物質面や金銭面で何不自由無い生活ではあったものの心が満たされなかったのか…二人は農協襲撃や宝石強奪を行った挙句、警察に追い詰められた際に仲が冷え切っていた夫婦の自宅に籠城し…

 

 

あがた森魚の「赤色エレジー」が効果的に使用された作品の一つですが(他に東映京都「女番長ゲリラ」「まむしの兄弟・二人合わせて30犯」にも使用されています)昭和初期にアメリカを震撼させたボニーとクライドの一連の事件を下地に設定を変えた様な趣に、兄妹が近親相姦ながら自然と情交の関係となり、スワッピングを実行しようとしても何も感じない程血縁者以外には心を開かぬ(信頼すら抱けぬ)二人の破滅を描いています。この様になった過程は複合要因と考えるのが自然ですし余程人々に裏切られた反動と思いますが、それを全く別として「井の中の蛙になってはいかん!同時に反骨心はいいが反抗心は周囲を不幸にし自らも破滅する」と、現代とはまた別の意味で混沌としていたこの頃を生きる若者達に訴えかけたのではないかと…