血生臭い国道工事入札!創映プロ/日活「やくざ非情史・血の決着」安藤昇・萩原遼監督 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんばんは。
 
 
昨日0時に勤務を終え、本日は週末の通常休みに繋げた有給休暇…俺の様な極楽蜻蛉は用事も無ければ病気もしない為、堂々と「法規上取らなければならない、事前に断るズル休み」と毎度会社には言っています。無理に理由を作る必要・コソコソする必要が無いですから気楽ですし本当に理由がある場合の信用度は高まると思います、それでも「ズル休みだろう」と思う連中にはそう思わせていればいいいです。先日も書いた通り最低でも来月一杯は12:00出勤、そして本日もそうでしたが明日・明後日も部屋でのんびりと過ごす事となるかと思います。
 
 
さて本日は、松竹で俳優デビューを果たした後東映を主戦場としながら一時期日活でも主演した安藤昇の作品です。自著内では「日活時代は脚本が酷くて手直しもしたし文句を付けたら監督が泣いてしまった」「制作会社は日活社長の血縁者と統括が設立した会社だったが日活から制作費を抜いていた」等々、松竹や東映と比べて余りいい印象を持ってはいなかった事が解ります。又、本日紹介する作品はオールロケーション(かと思います)かつ日活お馴染みの役者陣が片手で間に合う程度しか出演していないのが特徴の「外部制作の低予算作品」の様な趣が…VHS化作品ですがDVDは未発売でAmazonプライムビデオ(Amazonプライム会員特典対象作品)内に於いて有料動画配信が行われていますし、数年前にchNECO内で放映されました。
 
 
「やくざ非情史・血の決着」(「やくざ非情史」シリーズ第三弾)昭和45年2月21日公開・吉寺弾脚本・萩原遼監督・創映プロ制作・日活配給
 
 

 

 

舞台は山形・南陽市の赤湯温泉。国道13号線の工事入札に絡むヤクザ上がりの土建屋の争いに決着を付けたのは二本柳寛に使われた関東からの流れ者・安藤昇。そして数年後出所し安藤組長が暇を貰った時、二本柳さんは県議会議員となり県の土木課長と結託して当地の公共工事を談合で牛耳る程となっていた一方、頭を失った(=安藤組長が殴り込んだ組)は娘の嵯峨三智子が実弟と共に奮闘していたものの青息吐息…そこで安藤組長は過去の詫びとばかりに嵯峨さん達に加担し、その姿に惚れた若衆と共に談合を餌に二本柳さんを追い込み嵯峨さん側に入札が落ちたのですが、若衆と土木課長の死、そして安藤組長にも殺し屋・内田良平の陰が…

 

 

 
 
内容は他社で制作されていた利権絡みの任侠映画/ヤクザ映画と然程遜色はありませんが、その当時の談合の様子が端的に解り易く描かれれいるのはいい!しかも(全てではないものの)荒くれ者・流れ者を多く捌かなければならぬ上に莫大な利権により従来の同等(若しくはそれ以上)の稼ぎを生み出す土建業はヤクザの看板を下ろし正業に転換するには最も手っ取り早かったでしょう、その裏で色々と遣るにも都合が良かったでしょうね、日雇い労働者の給与ピンハネやいかさま賭博で給与巻き上げ等々…更に県議会議員となり行政に渡りを付けてしまえば、ねぇ…既存拡張や補修よりも新規整備が圧倒的に多かった昭和40年代の地方の様相を顕著に示しています。そして、序盤に登場した特別出演の大友柳太郎の意味の無い贅沢な使い方や安藤組長と宿泊先の旅館の男児との微笑ましい姿等々、それなりに楽しめる作品となっています。
 
 
余談ですが、嵯峨さんは帰る所が沢山在った安藤組長の昵懇女性の一人で、精神状態が良くなかった時期に外に出た方がいいと気遣い自らの作品への出演させたそうですが、異国で急逝した事は自著内の対談者に言われて初めて知ったと…