佐分利信は名優であり名監督!東京プロダクション/新東宝「慟哭」佐分利信監督/主演・無料動画配信中 | 東映バカの部屋

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皆様、こんばんは。
 
 
勤務開始日の夜中です。本日は2週間に一度の恒例であるYouTube内「新東宝【公式】チャンネル」内での無料動画配信作品情報です。今回の作品は一昨日より配信が開始され、5/24(金)12:59迄鑑賞可能です。北海道が生んだ名優・佐分利信の監督四作目で高評価を得た模様。
 
 
「慟哭」昭和27年10月26日公開・猪俣勝人脚本・佐分利信監督(主演も兼任)・東京プロダクション/新東宝の共同制作。
 
 

劇団女優である小暮美千代との三角関係を経験し、実子の逝去後に精神に異常を来した女房を介護していたものの先立たれてしまった劇団の脚本家・佐分利信は自信のスランプ脱出を賭けて新たな創作に臨もうとした所、周囲から新たな恋愛を薦められ、佐分利さんの気を引こうとしていた無名の劇団員・阿部寿美子といい関係となります。しかし阿部さんは郷里の両親には勉学に励んでいると見せかけて劇団で活動しているのが玉に瑕…身体の関係には至っていなかったものの創作をする上で脳裏に浮かぶ主演女優が阿部さんとなってしまっ佐分利さんは損得勘定・恋愛感情抜きで阿部さんの両親を説得して女優業になる事を認めさせ、更に小暮さんに女優としての心得や所作等々を指導する様に懇願し住み込ませる事としたのですが…
 

 

 

 

結論は「佐分利信は名優兼名監督」!言葉とは裏腹の自身の心情に気付き、それを察した小暮さんもその意に応えようとするものの感情を押さえつける事が出来ず事の収拾を不可能にした上に、この当時まだ色濃かった女性の純血・殉愛主義の弊害も描かれています。但し悲劇ではなく前向きに着地させた結末は中々ですし、小暮さんが阿部さんに放った「女優業は育ちや日常、人間性が素直に出るからこそ普段が大切」と云う意味合いの台詞は奥深く、更に五社協定締結前に制作されただけあり各社の面々を取揃えた豪華な顔触れ!この後各社の看板役者として活躍した面々の若年期の芝居も堪能出来ますので冒頭クレジットから終幕迄目が離せぬ作品です!