アフリカに興味を持ち始めたのは渥美清主演「ブナワ・トシの歌」や石原裕次郎主演「栄光への5000キロ」等々の映画と、好きで見ていたパリ・ダカールラリーの映像が切欠。更には他の大陸では見られない、アフリカ大陸独特の国境線がのめり込ませ…その為か、アフリカ関連の様々な映像が多く視聴出来るCS・ナショナルジオグラフィックchは俺にとっては重宝しています。そんな中で見付けたこの作品は、長期政権を続けるウガンダのムセベニ大統領に野党統一候補として大統領選挙に臨んだ歌手兼国会議員のボビ・ワイン氏の姿を追ったモノ。「勝つか死ぬか?」この言葉は極論ではない現実が飛び込んで来ますし、民族性・土着の伝統・宗教及び宗派の影響等々何がそうさせているのかは解らぬものの「ウガンダに限らず長期独裁国家の国民達の支持の基準は、政策云々ではなく考えを転換させる事すら困難な思考(例=白豪主義を打破した英雄的な存在である、等々)が存在しているのでは?」とも感じてしまう。現状を打破し民主的な国家を手に入れて欲しいとは願うものの現実はまだまだ厳しい事が伝わって来ます。そして、19世紀にヨーロッパ諸国が引いた「民族や宗教を考慮せぬ国境線」が現代に於いても無数の混乱を招いている事実は見逃せません。アフリカ大陸諸国は、独立以来紛争が発生していないボツワナと30年程前に議会制民主主義を導入後安定しているガーナ以外は政治的な不安定要素が付き纏っています。尚、自分達の手だけで国家を成立させたかった気持ちは理解出来ますし不安定さを沈静化させるには一時的な独裁はやむを得なかったとは思いますが、前者に関して支配国の優秀な人材を余りにも早く追い出してしまったが為に頭脳育成が立ち行かず未だにその呪縛から逃れられずにいますし、後者に関しては民政移管が上手く行かぬのは複合要因であるとは云え対話すら出来ぬのは如何なモノか。