西村昭五郎監督の人気シリーズ劇場版!ケイエスエス「難波金融伝 ミナミの帝王 劇場版PARTⅣ」 | 東映バカの部屋

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皆様、こんばんは。

 

 

本日20時勤務開始です。師走の為業務多忙となるのは確実でしょうが、次回の週末は正社員達が忘年会の為確実に休める事が解っているだけ気持ちは楽です。そして昨日は次の土曜日の午後にテレビの配送・設置がありますのでその周辺の掃除と整理をした上で、購入して12年程経ったテレビ用ステレオスピーカーとVHS/DVD一体型レコーダーを中古品屋に売却しましたが、両方で\1.200-…値段が付いただけいいかなぁと思っています。ブラウン管テレビと液晶フルハイビジョン及び4Kテレビでは水平解像度が全く違う為なのかVHSに関しては私感ながらブラウン管の方が画面が綺麗に思えた程でしたし、スピーカーも現在のテレビのスピーカーの位置や音質が良かった為ここ数年不稼働でした。

 

 

さて本日は、日活で「競輪上人行状記」「涙くんさよなら」「やくざ番外地」等々幅広く一般作品の監督に従事した後、日活ロマンポルノ初回配給作品の一つである「団地妻・昼下がりの情事」を皮切りに成人映画でも辣腕を発揮した西村昭五郎が手掛けた、竹内力の代名詞とも言えるシリーズ作品の劇場版からです。尚、当作品はVHS/DVD化がされている上にU-NEXT内に於いて有料動画配信が行われていますし(見放題対象作品)有料波の日本映画専門ch・chNECO内では定期的…いや毎月・毎週と言っていい程繰り返し放映されてます。

 

 

「難波金融伝 ミナミの帝王 劇場版PARTⅣー破産・乗っ取り-」(「難波金融伝 ミナミの帝王シリーズ」劇場版第四弾・シリーズ通算第九弾)平成6年9月10日公開・天王寺大/郷力也の共同原作・伊藤秀裕/大竹康師の共同脚本・西村昭五郎監督・HEISEIプロダクション制作協力・エクセレントフィルム制作・ケイエスエス配給。

 

 

 

 

財産家である良家の御曹司ながらも、実父が他界後実母と再婚した継父との関係が良好では無い事から生家を出てブルセラバーを経営し起動に乗せていた西川広志でしたが、賃貸契約を結んでいた家主から店舗の買い取りを提案された為「ミナミの鬼」こと竹内力が営む萬田金融からトイチの金を借り自らのものとします。しかし、登記変更を行う前に買い取った店舗には裁判所の執行官が訪れ差押を行っていた為に問うと売主が破産したとの事、しかもその売主はそのショックの為か当たってしまい半身不随に加えて過去の記憶が飛んでしまっていたのです。更に悪い事は続くもので最後の頼みの綱であった西川さんの実母が他界し、加えて継父は「貴様に渡す財産は無い!」と一蹴!頼みの綱が消えても地獄の底迄追い回す竹内さんは返済を迫られても返す宛てすら無い西川さんから話を聞くと、継父には焦臭さが…そこで秘書兼探偵の可愛かずみに調べさせると、その継父は息子・娘と共に仙台から大阪に転居していた上にその理由も曰く付きで…

 

 

過去に十数作品を鑑賞した事がありましたが先週末たまたま放映されていたのを十数年ぶりに観て感じたものがあり、U-NEXTを使用してここ数日間帰宅後に数作品再見しましたが「時代や志向等々が変化しても、やはり日本人は大船に乗り安心して観られる作品が大好きな民族なんだろうなぁ、例えマンネリと言われようとも…」と感じましたし、考えてみれば「萬田銀次郎=水戸黄門・遠山金四郎・中村主水を足して三で割った人物」となるのかなぁ、と…後で調べて解ったのですが、竹内さん自身も水戸黄門の様な感覚を持っていたのだそうです。そして二時間ドラマ等に於ける「自らは手を汚さずに私腹を肥やす、羊の皮を被った大悪党が最後に泣きを見る。その根底には足蹴にされた弱者の叫びが…」と云う流れは王道と言ってもいいでしょうが「これを法の外で生きる極道をも恐れぬ腹の据わった男が「ワシの金は手段を選ばず切り取る!」と同情論を一切口にせず有言実行!しかも「取れぬなら取られる所から…」の考えが同時に弱者を救い感謝される結末」に魅せられ、日常の不平不満や鬱憤を晴らさせているのだとも思います、金で身を滅ぼすのは自己責任であるとも同時に教えながら…

 

 

又、非常に広い守備範囲を持っていた西村監督が手掛けただけあり、当作品はこのシリーズの中でも高い安定感を持っているのも美点!極致に追い込まれる西川さんの惨状や竹内さんの気持ちを代弁するかの様に優しい眼差しを見せる可愛さん、更に継父親子に嫌気が差し竹内さんの作戦に全面協力をする生家の家政婦の西川さんに対する献身ぶりも巧く演出しています。締めはこの時点ではまだイントロのみであった「欲望の街」(竹内さん歌唱版)が流れる中でエンドロール…これは私感ですが、竹内さんの目力と役により目を使い分けている辺りは素晴らしい!最近ではこの様な役者は余り居ませんので尚更…破滅的なヤクザや血気盛んな堅気を演じる際にはこれでもかと思う程目を剥きますが、萬田銀次郎に代表される腹の据わった役では常に目も据わっている…好きでビデオ中心の活動に移行した事情から鍛錬を重ねたのでしょうし、生来アウトロー作品が大好きで先輩役者陣の芝居や動きを勉強・踏襲して自らの良さにしたのではないかとも…