遺恨の決着は人力車競争で!東映東京「河内遊侠伝」千葉真一/緑魔子/伴淳三郎・鷹森立一監督 | 東映バカの部屋

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皆様、こんばんは。
 
 
休み二日目の夜中ですが、私感ながら日中よりも現在の方が気温が少々上がっている様に思えますし雪の融解も進み路上は普段通りとなっています。昨日は悪友にテレビを売却する日を決めた後(来月初めとなりました。それ迄は大家の了解を取り空き部屋となっている隣室に保管となります。尚、予定通り3.5万円で譲渡する予定です)家電量販店で購入し来週土曜日の午後に配送設置です。約11万円の55型4Kテレビを消費税込み9万円丁度でとの事でしたので数店舗見て回ろうと思っていましたが即決・現金払い(ハイセンス製・メーカー3年保証付)。帰宅後調べてみたら同じ機種同士の比較では他店及びネット通販では出せぬ様な条件を出して下さった上に他社製品との機能比較等々でも相当に得な買物が出来たなぁ、と…売却代金を引けば5.5万円で購入した事になります。因みに50型の場合は8万円丁度との事でしたが、1万円差なら大きい方がいいと判断しました。
 
 
さて本日はU-NEXT内(見放題対象作品)に於いて有料動画配信が行われている此方の作品です。
 
 
「河内遊侠伝」昭和42年12月1日公開・池田雄一脚本・鷹森立一監督・東映東京制作。
 
 

 

 

舞台は昭和初期の大阪・河内…沢村貞子が営む料亭の愛娘・緑魔子に惚れていた千葉真一は三年間の板前修業を終え帰郷しますが、酒好きで顔を合わせれば怒号を交わし合う実父で車夫の伴淳三郎と喧嘩して家を飛び出す、闘鶏の際に些細な事で大喧嘩となった露天商の山田吾一は千葉ちゃんの実妹・大原麗子の交際相手であった為此方とも一悶着と前途多難…かと思いきや、表面上はそうでも親子同士の見えぬ絆はそのままでしたし、野郎同士の信頼関係もしっかりと築かれて行きました。それと時をほぼ同じくして、元・車夫ながらも一家を起こして大日本帝国軍に取り入っていた上に財を肥やす為なら手段を選ばぬ天津敏は魔子さんを利害関係にある大尉に差し向けようと画策し沢村さんもそれ承諾したものの、魔子さんはそれを拒絶し千葉ちゃんと駆け落ちをしてしまいます、バンジュンの行き付けの居酒屋の女将・月丘夢路に「存分に飲ませて遣ってくれ…」と酒代を渡して…しかし程無くしてバンジュンや沢村さんが心配な千葉ちゃん達が河内に戻ると、沢村さんの店は魔子さんとの一件が反故にされた事に加え、実子である市川好朗が作った博奕による債務が原因で天津さん達が乗っ取った上に「秋祭りの看板行事である車夫による人力車競争でバンジュンが勝てば沢村さんから手を引く」との約束を何としても勝ち取りたいが為にバンジュンを闇討ちにし瀕死の重傷を負わせるのです。そこで千葉ちゃんはバンジュンの代わりとして人力車を引き、天津さんと昵懇の車夫・土山登士幸と先頭争いを妨害にも負けず繰り広げたのですが…

 

 

 
 
非常に強い侠気を持ちながらも紙一重の所でヤクザや愚連隊とはならなかった男気溢れる堅気が信頼出来る仲間と共に不条理に真っ向から立ち向かい、好いた女の為ならそれ以外の全てを捨ててでも命を失っても守り切ろうとする痛快娯楽作品!しかも東映で言えば鈴木則文監督が得意とした「捻りのない直球を投げて観客を放置せずに進む親切心溢れる解り易い展開・笑わせて泣かせて手に汗を握らせる東映の娯楽映画精神そのもの」とも言える…表向きは恨み言・憎まれ口を叩いてはいても親を気遣い妹や仲間を想う千葉ちゃん、そしてバンジュンは子の然り気無い気遣いに一人静かに感謝をし、麗子さんはは荒々しくても心根の優しい野郎達を温かく見守り、山田さんは将来の義理の兄に男気を見、魔子さんは千葉ちゃんの変わらぬ愛情に応え切るのがいいですし、これが確立されているからこそ御曹司の立ち位置に甘えた結果最後には自らの手を汚す事となる市川さん、私利私欲を満たす為なら実力行使も人身御供も辞さぬ天津さん、その天津さんの右腕として不気味な存在感を醸し出す室田日出男等々が生きています。又、車夫同士の争いは現代劇で言うカーチェイスとなるのでしょうが、生身の人間の力量だけが頼りである上に悪が妨害を仕掛け易い分、ぱっと見の迫力には欠けてはいても凄味は人間同士の熱の籠もった衝突ですから見応えは此方に軍配が上がります。「もしかしたら「トラック野郎シリーズ」の前哨戦?大まかな構成の雛形に?」と考えてもしまったなぁ…