平山亨監督の集団抗争時代劇・東映京都「三匹の浪人」近衛十四郎/進藤英太郎/高津住男 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

昨日20時に勤務を終え月曜日11時の始業時迄の休みです。昼前迄は日が差していたもののその後は降雨を伴う暗い雲に覆われた秋田市内ですが、季節がひと月戻ったかの様な暖かさです。昨晩は帰宅後、東映chで放映されていた鈴木則文監督作品で「排泄ネタ満載」の「パンツの穴」(これが菊池桃子のデビュー作品)を鑑賞しながらカレーとカレーヌードルを食しました。信じられないと思われる方々も多いでしょうが、俺はどんな内容の映像作品であろうが一切気にせず飲食出来ますし、そうでなければ野郎とは言えないと云う考え方です!ソクブン監督作品だと「トラック野郎シリーズ」の初期作品では「飲食の場面だからこそ下ネタ・排泄ネタ満載!」が普通でしたし、それで教えられ鍛えられたのもあるでしょうねぇ…只、これが実行可能なのは一人の時か気心知れた仲間の場合のみで普段は自重していますのでご安心を。

 

 

さて本日は、東映京都撮影所在籍時に監督に昇進しながらも劇場公開作品の斜陽化で東京の東映本社に移動後テレビドラマ部門に尽力し、特に数多くの特撮作品で頭角を現した平山亨の「三本の劇場公開作品監督作」の内の一本です。

 

 

「三匹の浪人」昭和39年2月23日公開・岩上晃脚本・平山亨監督・東映京都制作。未DVD化作品でU-NEXT内に於いて有料動画配信が行われています(見放題対象作品)。

 

 

 

 

吉田義夫・小堀昭男が率いる双方の一家が対立する漁師街に浪人・近衛十四郎、生臭坊主・進藤英太郎、何もかもが解らぬ旅人・高津住男が現れ、この二つの一家を天秤にかけて大金を頂戴しようと各々が一進一退の攻防を続けて行ったものの、二つの一家を利用して人身売買や密輸を行っていた悪徳船奉行・安部徹が小堀さんと結託して吉田さんの一家を潰します。そしてこの騒動を「二つの一家の衝突の顛末」と処理しようとした時、三人は利害を捨てて弱き者達を助ける為に奮起し…

 

 

 

何時も以上に簡単な作品概要としましたが、本当に説明が簡単に済む程の単純明快な作品!これは東映名誉会長の岡田茂が「30秒?60秒?何方かは失念したもののそれで物語の説明が付く作品でなければ成立しない」と云う信念をしっかりと受け止め具現化した作品の一つとも言えそう。芸術/文芸志向の作品群はまた別なのでしょうが「内容を全て忘れ去ったとしても面白かった・楽しかったと言えるのが娯楽作品の真骨頂かつ醍醐味」とはよく言われますし、事実解説が比較的容易な作品が多く存在します。実は俺も当作品に関しては記憶が相当飛んではいるものの、近衛御大の豪快で見事な殺陣を堪能出来ましたし、大映から東映に移籍して間もない頃の俳優兼殺陣師・特技師の宍戸大全が放った「おい、五人やっつけた!あと五人!」の台詞には観客への親切心を感じ、解り易さや万人性は物語の軽さや薄さに繋がるとの誤認を覆す重厚感や奥深さも兼ね備えている中々の作品。同時にこの後隆盛を極める東映テレビドラマ時代劇作品群の制作内容にも少なからず影響を与えた作りなのではないかとも感じた程です。

 

 

「特撮作品は東映時代劇・任侠映画及び現代ヤクザ映画・事件モノを幼少者向けに焼き直した物語」と俺は思っていますがそれを証明しているかの様な内容かつ、観る側を置き去りにしない解り易さと親切心が美点で、平山監督の手腕がテレビドラマ部門で花開いた事がよく解ります。余談ですが、劇場公開作品群と特撮作品群にはその様な関連性が存在する為、俺の周囲の東映特撮好きに時代劇・任侠映画等々の鑑賞を薦めているのですが、特に任侠映画を始めとするアウトロー作品群には食指を全く動かして貰えません、何故なら「任侠道の正道を歩む侠客等々と正義の特撮ヒーローは全くの別物」との解釈を持っているらしく(俺はほぼ共通と捉えています)壁を取り去れぬままです。東映好きでは共通していても視点が違うのでしょうが、裏を返せば様々な視点が生まれる事が東映の幅広さであり美点とも言えるのでしょう。