愛されるべき大馬鹿ポルノ!日活配給「セミドキュメント 観光バス・濡れ濡れジャック」野上正義 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんばんは。

 

 

昨日の22時に勤務を終え、月曜日11時の始業時迄、6週間振りに週末連休となりました。俺を含めた部署全員が胸を撫下ろしていますが、恐らく月末に近付くにつれて再び時間外労働に見舞われる事になるだろうと覚悟は決めています。今日は朝から遣るべき事を済ました後自家用車の法定12ヶ月点検をして貰い、帰宅後に昼寝で済ます筈が夕方迄目が覚めず…

 

 

さて本日は此方の作品を簡単に…今月「日活ロマンポルノが定額で約130?140作品見放題」と云う事を知りフジテレビオンデマンドに加入しましたので其方の配信作品からです。

 

 

「セミドキュメント 観光バス・濡れ濡れジャック」昭和52年12月10日公開・池田正一脚本・久我剛監督・ワタナベプロダクション制作・日活配給(日活ロマンポルノとして公開)。

 

 

未DVD化作品ですが、フジテレビオンデマンド/U-NEXT/ビデオマーケット/Amazonプライムビデオ内に於いて有料動画配信が行われています。

 

 

 

 

 

新人ガイド研修中の観光バス(とは云ってもポスターに掲載されている様な当時の標準的な観光バスではなく、現在に於いても国内で数台が現存するボンネットバスのいすゞBXD系が劇用車であるのも自動車好きにはミソ!)を野上正義が率いる野郎二人組が乗っ取った事になってしまい(ヤサを失った二人が田舎道を彷徨っていたものの事余りもの空腹に堪えきれず偶然発見したバスの車内に在った酒と食料を鱈腹飲食後、睡魔が襲って就寝していたら知らぬ間にバスが発車してしまいました。盗みに入る方も入る方ですが気付かぬ方も気付かぬ方)停車した隙に逃げ出した一部のバスガイド達が通報した事によりバスジャック犯となってしまうのです。

 

 

籠城は相当な日数に至ったものの事件の舞台となった村の首長は「有名になる」と大喜びし、野上さんから収監されているブルーフィルムの監督と特出しストリップを行った小家主の釈放を要求された政府側は徹夜麻雀をしながら事の解決に当たっていた上に、少女漫画雑誌の人気投票で「野上さん達が一位・首相が遙か下位」と知ると「現在の国会勢力は与党と野党で一議席、この二人を無罪放免にして党の公認として立候補・当選すれば三議席の差が付く」と早々に結論を出す始末!しかもその頃現場は「野上さん側と人質は何時の間にか人間関係が生まれ酒池肉林!そして当地の警察と行政側はその様子を羨ましく思っていた上に遂には破裂し、乗っ取り犯と人質に差し入れをして酒池肉林の仲間入りをしてしまう」迄に…

 

 

 

 

野上さんの台詞から、この年に発生した「長崎バスジャック事件」「ダッカ日航機ハイジャック事件」「ルフトハンザ機ハイジャック事件」が基になっている事が伺えますが、内容は「愛すべき大馬鹿映画の見本」であり、この馬鹿馬鹿しさに真摯に向き合った出演者・制作関係者を絶賛したくなります!「片や短小極太・片や長大極細の倅」「年増で不細工な処女のバスガイドに向かい「俺にも選ぶ権利は在る!お前とヤル位なら手●●●(放送禁止用語の三文字言葉がそのまま流れます)の方がまし!」と野上さんを通じて言い放った120歳のブルーフィルムの元監督!しかも数人のバスガイドを次々犯して最後に後背位で絶命!」等々、陰惨・淫惨さを思わせる題目から受ける期待を見事に裏切り、馬鹿の頂点を極めて兎に角観客を笑わす事に徹している徹底振りと清々しさが素晴らしい!

 

 

手元に在る日活ロマンポルノの書籍を読むと、当作品はプロダクション鷹が制作し和泉聖治監督が手掛けた主婦売春モノと日活が制作し小沼勝監督が手掛けた団鬼六原作の映像化作品であった模様。この二作品は未見ですがとてもハッピーエンドに至る様な雰囲気を感じられませんので、この明るい作品が中和剤・箸休めの効果を発揮してくれる事を期待しての買い取り配給であったのかなぁとも感じます。