不倫か?それとも…東映セントラルフィルム「魔の刻」岩下志麻/坂上忍/岡田裕介・GYAO!で配信中 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんばんは。

 

 

本当は昨日が今年の初出勤となる筈でしたが、勤務開始前に会社から連絡が有り「会社都合による休日で本日13時より出勤」となりました。身体や精神面を考えると「棚から牡丹餅」しかし給与面を考えると「?」と考えましたが、今月か来月以降かは解らないものの何れ振替出勤となるとの事で安心しました(下手に有給休暇を使うよりも俺は後の振替出勤の方がいいです)。

 

 

ですので少し中古車屋を見て回りました。高い買い物かつ、現在の在庫車両が今後数か月そのままと云う事は先ず在り得ないものの実車を少しでも多く見ておきたいですから…そして「走行距離の多い高年式と走行距離の少ない低年式と何方がいいのか?」と質問をしてみたら「前者」との回答。しかもこれ迄は「中古車=毛の生えた程度の保証のみか現状渡し」と思っていたら「有料三年保証も可能な車両が在る」と云う事でその方向を考える事にしました。

 

 

 

さて本日は此方の作品を…

 

 

 

「魔の刻」昭和60年1月26日公開・北泉優子原作・田中陽三脚本・降旗康男監督・東映セントラルフィルム制作・東映配給・R15+指定作品。

 

 

DVD化作品でU-NEXT内に於いて有料動画配信が行われていますが、無料動画配信がGYAO!内に於いて1/17(日)23:59迄行われています(有料波では過去に日本映画専門chでの放映実績が在ります)。

 

 

 

 

 

 

静岡県内の或る港町…鮮魚店の三下として山田辰夫等々の兄貴分達に従いながら働き、この店の一人娘の岡本かおり(現・岡本椛里)と相思相愛となっていた坂上忍でしたが、その後を「熟女の魅力に溢れんばかりの美女」岩下志麻が東京から追って来て「亭主の神山繁には離婚届を届けたので今度の赴任先のニューヨークには行かない。キスして!」と迫ります。

 

 

 

 

 

 

しかしそれを振り切った坂上さん…対して志麻姐さんはこの街に居住する事を決め一室を借り、坂上さんに様々な誘惑を仕掛けますがけんもほろろ。そしてこの様子の一部始終を常に見ていた、志麻姐さんの部屋の向かいに居住していた薬局の店主である岡田裕介(昨年ご逝去された東映会長で、岡田茂・前東映名誉会長の長男です)が志麻姐さんの美貌にどんどん惹かれて行くのです。

 

 

 

 

 

 

それから暫くして志麻姐さんと坂上さんは人目の付かぬ場所でひっそりと出逢うのですが、この時に驚愕の事実が明かされます。更にこの後坂上さんは岡本さんを巡り先輩格の山田さん達と騒動となり重傷を負い、諸般の事情から闇治療を請け負う医師の石橋蓮司の世話になっただけではなく警察にも被害届を出しませんでした。ところが坂上さんを刺傷させた男が警察に自首をした事で所轄署の刑事である伊武雅刀が動き出し、ここで「岡田会長に向けられている過去の事件に関する疑惑」が明らかとなるのです。

 

 

三角関係とも受け止める事が可能な坂上さん・岡田会長・志麻姐さんの行く末は果たしてどうなるのか?

 

 

 

 

 

 

「当作品で全裸を披露したのは岡本さんのみで、当時40代前半ながらも若手女優・ポルノ女優に引けを取らぬ淫靡さを脱がずとも存分に見せた志麻姐さんの情交場面の表情が年齢制限指定を受けた理由なのか?」と思ったら…一部内容を明かしてしまいますがご容赦下さい。東映側の要請で降旗監督も「この点」を十分に気を付けて完成に漕ぎ着けたものの「長男役の坂上さん・実母役の志麻姐さんが近親相姦に陥る内容自体問題!」と映倫が決定してしまったのだそうです(ウィキペディアより)。

 

 

しかし「何故、近親相姦に陥ったのか?」ここに「当時の行き過ぎた学歴偏重主義に対する批判」「腹を痛め出産した実子が生きる意欲を無くした時のとっさの行動と、その事後処理のまずさが生んだ断絶」等々が絡んでおり「実子が美男だから、実母が美人だからと云う単純かつ情欲の赴くままの行為ではなかった点」に当作品の奥深さが在ります。更に「坂上さん・志麻姐さんの異常性愛に対する周囲の過激な迄の反応と、それを狙った或る人物の疑わざるを得ない人間性」「岡田会長に対する疑惑の目と事実の告白」が絡み面白くなって行きます。

 

 

描写は過激さを潜めてはいるものの、心理描写のドロドロ感は非常に強く「昭和40年代半ばに石井輝男監督が手掛けた「東映異常性愛路線」の制作意図や趣旨を一部継承している」とも言えそう…

 

 

現在でも感じるのですが、映倫は柔軟性が無いと云うか杓子定規の石頭と云うか…過去に当作品から遡る事大凡20年前には東映に対し映論が「佐久間良子の情交場面での表情が卑猥過ぎる」と言い放った事も在るらしいですが、物語全体の主張や問題提起の姿勢等々を本来見るべきで「暴力性・非行性・淫靡性等々表向きのみで判断するのは如何なものか?」と。又、俺の叔父は年少期に淫靡な場面が在ると「観ろ観ろ!」と寧ろ煽っていましたが「教育上・倫理上等々から観せてはいけないと云う姿勢よりも遥かにいい」と考えます。更に何度か当方の記事でも書きましたが「昭和期の映像作品群の良さの一つは、家庭・教育現場・地域等々が教えてはくれない様々な事を映像を通じて教えてくれた事」これにより一般概念・情操等々が形成され今の我々が在ると言っても過言ではないと思います。

 

 

 

 

 

 

尚、当作品には「寿司屋役」の小林稔侍「不動産屋役」の常田富士男「屋台引き役」の榎木兵衛「スナックのママ役」の宮下順子「隣人役」の岡部正純等々が出演しており、脇役を探す楽しみにも溢れていますし、同時に重い題材を緩和させる効果も発揮しています。

 

 

そして、東映京都制作「極道の妻(おんな)たち」が代名詞となる前の志麻姐さんの主演作品ですが「40代の志麻姐さんが最も綺麗に見える作品」としては東映京都制作「鬼龍院花子の生涯」「北の蛍」松竹制作「疑惑」「この子の七つのお祝いに」等々ではなく、この「魔の刻」ではないかと私感ではありますが思います。坂上さんが気の迷いから「お袋!」と交尾してしまった気持ちは解らないどころか「俺もそうなってしまうかもなぁ…」と思った程!