上流社会指向の学生の軌跡・日活ロマンポルノ「軽井沢夫人」高田美和/五代高之・GYAO!で無料配信 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

明日13時に今年の初出社となります。そして今月は今週と最終週が土曜日出社かつ最終週は夜勤の予定…体力面では少々堪える点が在りますが「長期休暇の在る月でも出社日を21日以上確保してくれる=収入面では大助かり」となるでしょう。

 

 

さて本日は簡単に…GYAO!内に於いて無料動画配信が行われる予定の作品です。

 

 

 

「軽井沢夫人」昭和57年8月6日公開・嵯峨島昭原作・いどあきお脚本・小沼勝監督・日活制作(日活ロマンポルノ)。

 

 

VHS/DVD/ブルーレイ化作品で、Amazonプライムビデオ/TSUTAYA TV/スカパー!オンデマンド内に於いて有料動画配信が行われています。尚、先述の通りGYAO!内で「R15+版」が1/5(火)00:00より1/18(月)23:59迄無料動画配信が行われます。

 

 

因みに「同名の作品」が日活(Vシネマ)とTBSで制作されているものの、内容は当作品とは全く別物との表記がウィキペディア内に記載されていますので参考迄に…

 

 

 

 

 

 

夏休みを利用しレストランのアルバイトに軽井沢を訪れた大学生の五代高之…しかし、高田美和/土屋嘉男夫妻の自宅で行われた政治家や財界人が顔を連ねた催しに於ける不調法で五代さんはアルバイトをクビになります。翌日、不調法を庇った高田さんに礼を伝えに向かった五代さんに高田さんは、全寮制の私立学校に通い長期休暇しか自由が無い愛息子の家庭教師を依頼し、快諾します。

 

 

高田さんは愛人と暮らす土屋さんの不貞に鬱憤と欲求不満が溜まっている状態、そして五代さんは上流指向の塊で、これを野望の足掛かりにしようと画策…二人が深い関係に陥るに時間は然程掛かりませんでしたが、他界した高田さんの姉が住む別荘に滞在していた北見敏之等々の存在が五代さんの行く末を大きく左右する事に…

 

 

 

 

 

 

当作品は昨年東映chで放映された際に鑑賞しているのですが「若い燕を飼い始めた妖艶な人妻の一時の情欲」とも受け止める事が出来るものの、見方を変えれば「若い燕として妖艶な人妻に買われた大学生の浅はかな上流指向が導き出した破滅への片道切符」とも言え「見てくれだけの華やかさに憧れ背伸びをするとろくな結末は絶対に遣って来ない!身の丈に合わぬ事をするな!棚から牡丹餅の通りになるのは稀な事!」等々「破滅を通じて甘い話には罠が在る・浅はかな上昇志向は必ず打ち砕かれる事実を教えてくれる作品」とも…俺も「もっと若かりし時期にこの作品を見ていればあの失敗は無かったのかもなぁ…」と、少々自省(しかし時既に遅しですが)。

 

 

「一般女優が主演を務めた、繁忙期に定期的に制作されていた日活ロマンポルノ大作」及び「ロマンポルノ制作の合間に企画された一般扱いの作品群」は通常三本立てて公開されていたロマンポルノ群とは一線を画す点が在りますが「普段は遣りたくても遣れない事をここぞと言わんばかりに熱意をぶつけ、他社では衰退してしまったプログラムピクチャー体制を最後迄維持し続けた日活関係者の実績がより発揮され、そこに映像作品に対する無限の愛情が込めた事で佳作・傑作となった作品」が非常に多いです。

 

 

又、一般作品では見せる事の無かった妖艶さを当作品では高田さん、そして他作品では数多くの女優陣が見せてくれており、一部文献やウェブサイトでは「再浮上・再出発の切っ掛け及び話題作りとして出演した女優が多い」と書かれている事が多いですが(他社の作品で妖艶芝居・全裸披露等々を決断した女優陣も同様の見方をされる事が多いです)俺はその様な意識は無かったと考えています。邪の意識でこの類の作品の撮影に臨む事はポルノ・ピンク作品群を見下している事に他なりませんし、中途半端な意識では観客に伝わる物は何も無いですから…しかも全裸を披露すると云う事は「身体の奇麗さや均衡は見た目でしかなく、武器は自身の人間性と感性のみ」これを自然に出せなければ何の意味も為しません。